石槨構造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/01 21:25 UTC 版)
「観音塚古墳 (羽曳野市)」の記事における「石槨構造」の解説
埋葬施設は、周辺で産出する石英安山岩の切石を組み合わせた横口式石槨で、石槨部、前室、羨道で構成されている。石槨部は身と蓋の2石で構成され、天井石の内側を屋根型に整形しており、家形石棺の内側の形状と共通する。石槨部の規模は、長さ1.93メートル、幅0.92メートル、高さ0.78メートルで南小口には幅60センチ、高さ64センチの横口部を設け、扉をはめ込む段が造り出されている(扉石は亡失)。前室では、石槨部入口に密着して、石槨部の床面に高さを合わせた切石が据え置かれている。前室入口は階段状の敷居石が設置された後、柱状の石材を両側に立て、その上に梁石を架け渡しており、ここにも扉がはめられていたようである。前室の壁面は東面に7石、西面に8石の切石をモザイク状に組み合わせ、隙間がほとんどないという。こうした高度な石積み技術は、周辺のオーコ8号墳、鉢伏山西峰古墳にも認められ、朝鮮半島に技術的系譜を求める見解があり、石槨部の構築には高麗尺が用いられたという説もある。埋葬施設は明治以前から開口しており、副葬品については不明である。1981年(昭和56年)に国の史跡に指定されている。 石槨部 前室(開口部方向) 前室(石槨方向)
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