技術的系譜
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/25 23:39 UTC 版)
発掘調査報告書にはこのような特異なドライドック構造が採用された理由として下記のような複数の見解が存在していることが報告されている。 佐賀藩が有した土木技術の面からの見解佐賀藩に伝統的に土と木を多用する土木技術の歴史(有明海北岸の干拓に石材ではなく土と木材を用いた)応用を例にあげる。 予算を考慮して安価な材料を使用したとする見解三重津にドックを急遽構築せねばならなくなり、臨時的な構造物として安価な材料を使用したとする。 ドックを構築する地盤の問題を配慮した結果であるという見解軟弱地盤上にドックのような巨大構造物を構築するにあたり、意図的に軽量な材料を選択したとする見解。横須賀ドックのような石造ドックを有明海沿岸地域の軟弱地盤上に構築した場合、不同沈下を起こして渠壁が崩落することを当時の技術者も予見できたとする考え。 1 - 3いずれの見解(または複合すること)が正しいにしても、このドライドックは土木史的並びに建築史的にも稀有な構造物である。材料や立地等の点でも近代のドライドックと異なる発想をもとにした技術で構築されたことは想像に難くない。
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