発行母体
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/06 09:01 UTC 版)
学術雑誌には、学会によって発行される学会誌と、専門的な出版社から発行される商業誌がある。欧米などでは大学出版会による学術雑誌の発行も行われている。日本には学術商業誌というジャンルもある。『科学』(岩波書店)など。 学会誌では大学の教授などが編集委員を務めていることが多いため、利益をあまり重視しない。そのため、デザインなどは地味なものになりがちで、電子ジャーナル化などのサービスも比較的遅いが、購読価格は低く抑えられている。 商業誌では専門の編集者がおり、利益性を重視した編集を行う。このため、インパクトのある論文ほど掲載されやすく、他にも読者の興味を引く様々な特集記事などが掲載される。電子化などのサービスやデータベースとの連携も重視されているが、一般に購読料は高価である。学術雑誌を多く出版している出版社としては、最大手であるエルゼビアのほか、テイラーアンドフランシス、シュプリンガーやブラックウェル、ワイリーなどがある。 また、その分野における古参の専門誌や機関広報誌が、商業誌であると同時に学術誌的な要素を内含するケースも見られ、この場合、その誌上には競合誌・後発誌が扱いきれないような高度な専門性・資料性を持つ記事・読物が掲載され、本業がライターではないその道の専門家や研究者が多数執筆していることも見られる。日本における例としては鉄道分野における『鉄道ピクトリアル』、競馬分野における『優駿』、映画における『キネマ旬報』などが挙げられる。
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