発明とその動機
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/04 05:09 UTC 版)
伊賀健一が1977年にこのデバイスを発明した。本技術は面発光レーザー (Surface Emitting Laser) と名付けられた。この発明の動機は以下であったという。 面発光レーザーの設定3条件: 製作をモノリシックに行えること。つまり、シリコンLSIのように半導体ウエハ上に、結晶成長、エッチング、酸化、絶縁、電極付けなどを一連のプロセスでおこなえる。 発振波長を単一にする。そのためには、50マイクロメートル以下の短共振器が適切であることを、伊賀は1976年の半導体レーザー国際会議で発表している。 発振波長の再現性が確保できる。製造過程において、設計した波長でレーザーを実現できる。 なお、マサチューセッツ工科大学(MIT)のIvars Melngailisによって面から発光するレーザーが1965年に発表されているが、これは当時まだへき開技術が成熟しておらず、研磨などによって反射鏡を作るという方法の一つとしてつくられたものであろう。バルク状の半導体で、強磁場、極低温、長い共振器で試されたもので、先の3条件を目的としたものとは異なる。また、その後の発展は認められていない。 面発光レーザーは1987年になって、高密度ディスプレイを形成する画像セルを意味する「ピクセル(pixel)」に倣って、VCSEL(垂直共振器面発光レーザー)と名付けられた。それは、水平型のファブリ・ペロ・レーザーの光を面方向に出射させるため、45°反射鏡型や二次回折格子を用いる方法が出て、区別するための目的であったが、他は廃れてしまった。
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