発散角
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/17 10:14 UTC 版)
パラメータ w(z) は z ≫ zR のときには z に比例するものと見なせる。このことは、ビームウェストから離れればビームは円錐形とみなせることを意味する。直線 r = w(z) とビームの中心軸 r = 0 との成す角度は、ビームの「発散角」と呼ばれ、以下のように与えられる。 θ ≃ λ π w 0 {\displaystyle \theta \simeq {\frac {\lambda }{\pi w_{0}}}} ここで、θの単位はラジアンである。 ビームウェストから遠いときのビームの拡がり角は以下のように与えられる。 Θ = 2 θ {\displaystyle \Theta =2\theta } 発散角はビームウェストサイズ w0 に反比例するため、より焦点サイズの小さいガウシアンビームは伝播するにつれてより速く拡がっていくことになる。逆に言えば、レーザービームの平行性を高く保つためには、半径は大きくしなければならない。このビーム幅と発散角との間の関係は回折に起因する。非ガウシアンビームでもこの効果はみられるが、ガウシアンビームはビーム幅と発散角との積が可能な限り小さい特殊例である。 ガウシアンビームモデルは近軸近似に基いているため、波面がおよそ 30°以上傾いた場合には適用できなくなる。上の発散角についての式より、ガウシアンビームモデルが 2λ/π より大きなビームウェストサイズを持つときのみに適用できることになる。 レーザービームの品質(英語版)はビームパラメータ積 (beam parameter product, BPP) により評価できる。ガウシアンビームについては、 BPP は発散角とビームウェストサイズ w0 の積である。実際のビームの BPP はビームの最小直径と遠地点における発散角を実測して積をとることにより求められる。実際のビームの BPP と、同波長の理想的なガウシアンビームにおける BPP の比は M2 と呼ばれる。ガウシアンビームにおいては、 M2 の値は1である。実際のビームはかならず1より大きい M2 値を持つが、高品質なビームでは非常に1に近い値となる。 ガウシアンビームの開口数は NA = nsinθ で定義される。ここで、 n はビームの伝播する媒質の屈折率である。この定義式より、レイリー散乱は開口数により次の式で表わすことができることが導かれる。 z R = w 0 / N A {\displaystyle z_{\mathrm {R} }=w_{0}/\mathrm {NA} }
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