画風と制作姿勢
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/29 13:44 UTC 版)
「漫画とは絵画と文学を合体させた純粋芸術」との信念を持っており、安易な妥協や迎合を許さなかった。杉浦幸雄によると、「新漫画派集団」発足直後に、出版社から来た「大人から子供まで楽しめる漫画」を描いてほしい、という曖昧かつ虫のいいオファーをした編集者に怒り、追い返したことがあった。 近藤は読売新聞社の論説委員室に自分の机を持ち、社内ですべての仕事を済ませ、自宅では一切執筆をしなかった。自宅には「机一つ、絵筆一本、絵具一箱、画用紙一枚もなかった」という。 初期の画風は、ペンとケント紙による「繊細で鋭角的な画」であったが、やがて墨汁をつけた細筆と水彩画用の画用紙を用いるようになった。筆だけは銀座の「東京鳩居堂」で買っていたが、それ以外の道具は「その辺の文房具屋のどこでも売っているような」ものを用いた。 加藤芳郎は、近藤と横山隆一の画風の違いを落語家の芸風になぞらえ、「近藤さんは文楽、横山さんは志ん生」と端的に評している。
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