生成・産出
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/24 01:44 UTC 版)
ラピスラズリは接触変成作用でできる鉱物で、結晶質石灰岩、つまり熱変成を受けた石灰岩(スカルン)中に産出する。ただ珪灰石と違い、それができるためには、硫黄、塩素など、スカルンの条件としては特殊な元素を必要とするし、温度が高いとか、珪酸が少なめであるとかいう特殊な条件が必要であるため、ラピスラズリは世界に産地が少ない。 古代の原産地は、Sar-i Sang(アフガニスタンのバダフシャーン州en:Kuran wa Munjan District)がほとんどで、そのほかロシア(バイカル地方)、タジキスタン(パミール高原)、チリ(コキンボ地方)、カナダ(バフィン島)、アメリカ(コロラド州・ニューヨーク州・カリフォルニア州)、イタリア(ベスビオス火山)などに限定されていたが、近年ではミャンマー(マンダレー管区・カチン州)などでも産出している。日本では産出しない。 (一部に産地としてアルゼンチンやアンゴラ、ブラジル、パキスタン、インド等を挙げているのを見かけることがあるが、これらは国名として見かけるのみでこれらの国の産地に関する記述や解説などは見当たらず詳細は不明) 実際に市場で流通しているのは、アフガニスタン、チリ産の物が多く、ロシア、ミャンマー産の物もわずかにみられ、稀にタジキスタン産の物もみられる。 ただ昭和20年代に、岐阜県の金生山でラピスラズリを発見した人がいたという。金生山は石灰岩の山で化石を産出することで有名であるが、スカルン鉱物であるラピスラズリが未変化の石灰岩中に出るのはおかしい。ラピスラズリは本物であったが、産状に疑問の声が出て、結局これは誰かがそこにラピスラズリを捨てたのだろうということになったということがあったという。
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