生態系と住民
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/14 16:58 UTC 版)
上記の面積拡大によって、湖水には陸上植物起源の有機物が豊富に供給され、また多量のプランクトンが発生する。これらは魚の餌となり、このような一時的水域で繁殖するものが多いため、魚が大量に発生する。体重100kgを上回るメコンオオナマズ (Pangasius gigas) やフグなど600種類以上の淡水魚が生息する。雨季の終わりには水が引き、繁殖を終えた魚は川下に移っていく。トンレサップ水系の漁業で獲れる魚は、カンボジア人のたんぱく質摂取量の60%を占める。ワニも出没する。 水生植物も豊富である。ホテイアオイの過剰な繁茂が問題となっているため、日本企業がバイオマスエタノールに加工する実験を行っている。 水が引いた地域に残った養分に富む堆積物が肥料となるため、雨季以外には重要な農地が拓け、浮き稲などが栽培されている。トンレサップ川が逆流することは、メコン川下流(メコンデルタ)の洪水を防ぐ安全弁にもなっている。 湖面に浮かぶボートハウスの村としてチョンクニアなどがある。雨季はボートで家屋や店舗、学校などを観光することが出来る。彼らは同湖水上生活者38,000人のうち、8,000人を占めるベトナム人コミュニティであると言われる。
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