理由あって冬に出る
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 08:41 UTC 版)
第16回鮎川哲也賞佳作入選作。 あらすじ ―某市立高校の芸術棟にはフルートを吹く幽霊が出るらしい。妙な噂のせいで、部員が練習に来なくなってしまった。責任感の強い吹奏楽部の高島部長は、幽霊の噂を否定すべく、意を決して部員の秋野麻衣、そして本編語り手、《僕》こと葉山を伴って夜の芸術棟に張る。しかし予想に反して、幽霊は出た―。同じ日に部室に泥棒に入られた演劇部部長の柳瀬、文芸部部長、博識の三年生伊神先輩を巻き込んで、にわか高校生探偵団が結成される。コミカルな青春ミステリ。 鮎川哲也賞応募時、この作品の時代設定は作者の高校生時代と同じ頃(つまり今から十数年前)であり、母校の校舎が解体されると聞いた主人公が当時を回想するという形になっていたが、同賞の選考委員の意見もあり、現在の話に変更された。筆者は実際に母校の校舎が解体されると聞き、それへの哀悼の意を込めたかったのだという。 toi8の装画による表紙では、主人公とおぼしき少年とともに眼鏡をかけた少女が立っているが、主な登場人物の中に、眼鏡に関する特徴の記述のある者が見あたらないため、一部で論議を呼んでいる。以降の巻の表紙にもこの少女は存在し、次巻である『さよならの次にくる〈卒業式編〉』の表紙において「手紙」を持っている。その次の『さよならの次にくる〈新学期編〉』では、表紙にこの少女が存在するだけでなく、作品中に眼鏡をかけた少女が主要人物として登場し重要な役割を果たしている。なおけーしんによるキャラクターデザインでは明確に眼鏡はかけていない。
※この「理由あって冬に出る」の解説は、「似鳥鶏」の解説の一部です。
「理由あって冬に出る」を含む「似鳥鶏」の記事については、「似鳥鶏」の概要を参照ください。
- 理由あって冬に出るのページへのリンク