現代音楽の擁護者として
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/01 14:51 UTC 版)
「ジークフリート・パルム」の記事における「現代音楽の擁護者として」の解説
ダルムシュタット現代音楽祭の講師を務めるなど、パルムは現代音楽を積極的に演奏しており、パルムが師事したエンリコ・マイナルディは「最もむずかしい現代作曲家のチェロの作品を弾くためのテクニックを私から学んだと言っているが、これは、彼自身が新しい可能性を開拓していったもので、そこに彼が到達したことは驚嘆に値する」と述べている。また、1965年からはアロイス・コンタルスキーらと組んで音楽活動を展開するなど、積極的に活動するようになった。 チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団でチェロ奏者を務めたユリウス・ベッキは、パルムの協奏曲のレパートリー42曲のうち29曲が現代曲であったと指摘しており、「ジークフリート・パルムは、新しい、前衛的な作品に取り組む勇気、実験的作品に対する悦び、息をのむばかりのテクニックをもって、常に新しい音の世界へ突き進んでいる」と評している。その結果、ボリス・ブラッハー、マウリシオ・カーゲル、ジェルジュ・リゲティ、ミルコ・ケレメン、ヤニス・クセナキス、尹伊桑、ベルント・アロイス・ツィンマーマン、クシシュトフ・ペンデレツキなど、幾人もの作曲家がパルムに曲を捧げた。 ただし、上述のベッキはパルムの言葉として「古典とロマン派のチェロの作品の演奏こそ本来の使命であり、新しいチェロ作品の演奏は道楽である」「チェロの演奏を新しい作品によって習得しうるなどと考える人々は、およそ原点に立ち返り学ばなくてはならない。そうでないすべてのやり方は混乱を招くだけだ。ロンベルクなしにはペンデレツキは存在しない」と記している。
※この「現代音楽の擁護者として」の解説は、「ジークフリート・パルム」の解説の一部です。
「現代音楽の擁護者として」を含む「ジークフリート・パルム」の記事については、「ジークフリート・パルム」の概要を参照ください。
- 現代音楽の擁護者としてのページへのリンク