現代のタウン・クライヤー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/29 16:46 UTC 版)
「タウン・クライヤー」の記事における「現代のタウン・クライヤー」の解説
タウン・クライヤーは、それを必要とする状況がなくなって以降、各地の民間伝承の一部となっていった。当初は非公式なものとして始まり、後に公的なものとなっていったタウン・クライヤーの選手権試合は、20世紀初めから開催されるようになった。その後、一部の都市や町では純粋に儀礼的な目的でタウン・クライヤーを再び制度化した。 イングランドやウェールズでは、多くの地方自治体当局が1990年代以降にタウン・クライヤーの役職を再び制度化してきた(例えば、チェスター)。その多くは、名誉職的な任命であったり、自治体に非常勤で雇用される者である。2010年10月の時点で、イングランドとウェールズを合わせて144の町に、the Ancient and Honourable Guild of Town Criers に登録したタウン・クライヤーがいた。彼らはおもに、公的な宴席などの際に、儀礼的な責務を果たしている。俸給が支払われるタウン・クライヤーがいる自治体では、慈善行事などにタウン・クライヤーを登場させられるようにしていることが多い。 キングストン・アポン・テムズ王室特別区では、タウン・クライヤーが執達吏をも兼ねており、これは他の自治体では見受けられない任命の仕方である。 イングランドでは、タウン・クライヤーが王室の後継者の誕生や、王族の到着などを告げることがある。80代で「王党派クライヤー (royalist crier)」を自称しているトニー・アップルトンは、できる限りの声を張り上げて王室一家に関する重要なニュースを告知している。アップルトンは地元に近いロムフォード(英語版)のタウン・クライヤーを務めているが、王室を代表する立場にはない。2013年に、一部のニュース番組などが彼の服装に混乱させられたときも、この点をはっきり認めていた。 カナダやアメリカ合衆国にも、タウン・クライヤーのギルドがいくつか存在している。例えば、the Ontario Guild of Town Criers、the Nova Scotia Guild of Town Criers、the American Guild of Town Criers などである。2016年には、カリフォルニア州バーリンゲイム(英語版)の町が、タウン・クライヤーを新設した。 オーストラリアには、2010年10月の時点で、シティ・オブ・シドニー、シティ・オブ・ホバート(英語版)、シティ・オブ・グレイター・ギーロング(英語版)、シティ・オブ・ポートランド(英語版)、シティ・オブ・イプスウィッチ(英語版)、シティ・オブ・ゴスフォード(英語版)、シティ・オブ・ソールズベリー(英語版)、シティ・オブ・ゴールド・コースト(英語版)や、その他22の地方自治体が、公式のタウン・クライヤーをもっている。
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