特殊班派遣部隊
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/20 07:26 UTC 版)
1994年4月には、警察庁刑事局に特殊事件特別捜査班が設置された。これは、警視庁や大阪府警察など、特殊犯の経験が豊富な警察本部の捜査員の一部を警察庁兼務職員として登録し、特殊事件捜査係の体制が弱体な地域で誘拐事件などが発生した場合はこれらの捜査員を現地の警察本部に派遣して、ノウハウの伝授や助言を行うという制度で、「タスク・フォース」と通称されている。またこのタスク・フォースが中核となって、年に2回、全国の都道府県警察が参加する共同訓練も行われている。 タスクフォースに選ばれた捜査員は、警視庁や大阪府警察の警察官であっても、特例的に他道府県で発生した特殊犯事件に介入することが可能だが、任務は事件発生地を管轄する警察本部の支援に限定されている。またタスクフォースに在籍する警視庁SITの捜査員は、米国連邦捜査局(FBI)に研修に赴き、米国での特殊犯事件への対応の現状や、拳銃の射撃訓練、プロファイリングに関する動向などのレクチャーを受けたといわれている。さらに、FBIとの交流を契機として、神奈川県横須賀市に駐留する米海軍犯罪捜査局(NCIS)極東方面本部の幹部が、警視庁SITの立てこもり訓練に指導・助言を与える形で参加するようになった。NCISは、主に拳銃などの武器使用に関する指導や、ビルを駆け下りたりするなどの基礎運動の形成に関する助言を行ったといわれている。 その後、タスクフォースは特殊班派遣部隊という名称の部隊に発展し、警視庁と大阪府警察に加えて、北海道警察、愛知県警察、福岡県警察の5都道府県警察に設置されている。特殊班派遣部隊が編成された年は不明であるが、2006年に警察庁が発表した文章に部隊の名称が記載されている。また2016年に開催された国家公安員会定例会議の議事録には、和歌山県和歌山市で発生した立てこもり事件に、大阪府警察の特殊班派遣部隊が派遣されたとの記述がある。
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