特別廃車
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 01:34 UTC 版)
日中戦争が勃発した1937年以降、軍の要請により日本が支配する外地(植民地)の鉄道整備のため、鉄道省に在籍する車両が改造のうえ彼地へ送られた。これを一般に戦時供出といい、対象となった車両には特別廃車の手続が取られた。 1937年から1938年にかけては、主に中国の華中鉄道や華北交通向けに9600形やC51形などの蒸気機関車のほか、スハ32600形客車やキハ40000形、キハ42000形気動車などが、標準軌に改造のうえ供出された。 太平洋戦争が始まると、今度は南方のタイやビルマ、海南島などの占領地で建設された軍用鉄道向けに、多数の機関車が供出された。泰緬鉄道に供出されたC56形が代表的であるが、C12形、C50形、C58形、D51形なども対象となっている。これらは1m軌間に改造のうえ発送されたが、途中で輸送船が撃沈されるなどして失われたものも多い。 戦後残ったものは所在する国に接収され、その国の鉄道で使用された。タイ国鉄に引き継がれたC56形のようにその後の消息が比較的聞かれ、その後日本に帰還したものもあるが、ほとんどの消息は不明となり人知れず異郷の土となった。
※この「特別廃車」の解説は、「廃車 (鉄道)」の解説の一部です。
「特別廃車」を含む「廃車 (鉄道)」の記事については、「廃車 (鉄道)」の概要を参照ください。
- 特別廃車のページへのリンク