熊山遺跡とは? わかりやすく解説

熊山遺跡

名称: 熊山遺跡
ふりがな くまやまいせき
種別 史跡
種別2:
都道府県 岡山県
市区町村 赤磐市奥吉原
管理団体 赤磐市(昭47・9・6)
指定年月日 1956.09.27(昭和31.09.27)
指定基準 史3
特別指定年月日
追加指定年月日
解説文: 標高570メートル有する熊山山巓平坦地域の一部存する割石によって構成された壇の遺構一辺約11.4メートル有する方形基壇上に築かれている。第1の壇は一辺長さ約7.70メートル、高さ約1.18メートル、第2壇は一辺長さ5.10メートル、高さ約1.26メートルそれぞれの側面中央石龕設けている。第3壇は一辺長さ約3.55メートル、高さ約1メートル有する曽て上壇の上面のほぼ中央部発掘の厄にあい、一種石室遺構中に陶製形容器と三彩の小陶壷とが蔵置されていたことが知られた。
この遺構鑑眞和尚によって開基された戒壇跡ともいわれているが、奈良市頭塔大阪府堺市土塔同様の性格をもつもので、奈良時代における仏教的施設遺構認められ類例稀なものとして学術上の価値が高い。
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熊山遺跡

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/11 15:43 UTC 版)

熊山遺跡

熊山遺跡(くまやまいせき)は、岡山県赤磐市の熊山山上にある仏教遺跡である。国の史跡

概要

陶製筒形容器
天理大学附属天理参考館展示。

熊山遺跡は古来より信仰の対象となっていた熊山(508メートル)の山頂付近にある基底部と3段の基壇で構成された石積みの建造物である。

奈良時代前期に建造されたと思われる仏教遺跡である。

この基壇の周囲には室町時代前期頃まで霊山寺という寺院があった。

弥生時代以前より原始信仰が行われていた磐座(いわくら)の上に、流紋岩を正方形に組み上げている。

一辺11.7メートルの方形基壇を造り、その上に一段目に一辺7.7メートル、高さ1メートル、2段目に一辺5.2メートル、高さ1.2メートル、3段目に一辺3.5メートル、高さ1.2メートルの方形に石積み築造している。

2段目は龕(がん)と呼ばれる仏像などを納める厨子と思われる四角い横穴が4面に開けられている。その横穴は、4面の中央部に高さ65~90センチメートル、幅62~73センチメートル、奥行き90~136センチメートルで造られている。

全高は約3.5メートル、各辺の長さは基底部が約12メートル、下段が約7.7メートル、中段は約5.2メートル、上段は約3.5メートルである。

基壇の中央には竪穴石室[1]があり、その中に高さ162センチメートルの陶製の五段重ねの筒型容器[2]が納められていた。

容器内には三彩の小壷と皮革に文字が書かれた巻物が入っていたと伝えられているが、1937年(昭和12年)に盗掘にあい現在は行方不明である。

筒型容器は奈良県天理市天理大学に収蔵されている。

この基壇の目的については戒壇説、墳墓説、経塚説などがあったが、近年の研究により遺物や龕の存在などから仏塔であったことが判明している。

1956年(昭和31年)9月27日に、国の史跡に指定された。

また、熊山の標高350メートル以上には大小32基にも及ぶ類似の基壇の遺構が確認されている。

関連項目

脚注

  1. ^ 石室下部の平面は74×81センチメートルの方形で深さ2メートル
  2. ^ 基底部に扁平な円筒型底部を造り、その上に三個の円筒を積み上げ、最上部は宝珠形で、四方に火炎型の突帯を付けている。筒部の内外面には青海波紋が残っており、外面は擦り消しのように薄く消している。

参考文献

  • 『霊山熊山、その歴史の足跡(熊山散策のしおり)』 現地配布資料
  • 岡山県高等学校教育研究会社会科部会歴史分科会/編 『新版 岡山県の歴史散歩』 山川出版社 1991年 56-57ページ

外部リンク

座標: 北緯34度45分13.85秒 東経134度7分15.5秒 / 北緯34.7538472度 東経134.120972度 / 34.7538472; 134.120972




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