炭化ホウ素
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/05 01:17 UTC 版)
詳細は「炭化ホウ素」を参照 炭化ホウ素は、酸化ホウ素を炭素とともに電気炉で熱分解することによって得られるセラミックス材料である。 2 B 2 O 3 + 7 C ⟶ B 4 C + 6 CO {\displaystyle {\ce {2B2O3 + 7C -> B4C + 6CO}}} 炭化ホウ素の構造はほぼB4Cのみであるものの、炭素量は化学量論比よりも明確に低い値を示す。これは炭化ホウ素の非常に複雑な構造に起因しており、炭化ホウ素はホウ素がB12クラスターとして存在しているB12C3の分子式で表される構造を取るものの、3つの炭素原子のうちの1つはホウ素原子に置換されやすいため、炭素原子数の少ない単位クラスターが混在した構造となる。また、正八面構造のB6クラスターも混在しており、炭素量が少なくなる要因となる。このような構造に起因して、炭化ホウ素は単位重量あたりの構造強さに優れている。そのため、炭化ホウ素は戦車などの装甲やボディアーマーのほか、多くの構造材として利用される。炭化ホウ素(特に10B)は、長寿命な放射性核種を生成することなく中性子を吸収する能力を有しているため、原子力発電所において発生する中性子線の吸収材として有用である。そのため、10B濃度を制御した炭化ホウ素が原子炉における遮蔽材や制御棒などに利用される。制御棒としての利用においてはその表面積を増やすためにしばしば粉末状で用いられ、また粉末を焼結させた円筒のペレット状でも用いられる。
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