炎症応答
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/12 15:02 UTC 版)
サイトカインは成熟すると下流のシグナル伝達イベントを開始し、炎症促進応答を誘導するとともに、抗ウイルス遺伝子の発現を活性化する。応答の速度、特異性、種類は、受けたシグナルとシグナルを受けたセンサータンパク質の双方に依存している。インフラマソームによって認識されるシグナルには、ウイルス由来の二本鎖RNA、尿素、フリーラジカル、細胞の危険と関係した他のシグナルや他の免疫応答経路の副産物などがある。 成熟型サイトカイン自体には小胞体-ゴルジ分泌経路への移行に必要な選別配列は含まれておらず、そのため一般的な経路で細胞から分泌されるわけではない。また、これらの炎症性サイトカインの放出はピロトーシスによる細胞の破裂に依存したものではなく、実際には能動的な過程であると考えられているが、この仮説を支持する証拠と支持しない証拠の双方が得られている。多くの細胞種において、ピロトーシスの徴候が全くないにもかかわらずサイトカインが分泌されているという事実は、この仮説を支持している。しかし一部の実験では、ガスダーミンDの機能喪失変異体では、サイトカインの切断は正常に行われるが分泌能力がないことが示されており、実際には何らかの形でピロトーシスが分泌に必要である可能性が示唆されている。
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