炎症カスケード
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/11 13:56 UTC 版)
インフラマソームはピロトーシスカスケードの活性化を行い、その機構はアポトーシスカスケードを活性化するアポトソーム(英語版)と類似している。インフラマソームは活性化されると、自身のCARD、またはインフラマソーム形成時に結合するアダプタータンパク質ASCのCARDを介して、カスパーゼ-1前駆体と同型結合を行う。完全な形のインフラマソームは多数のp45カスパーゼ-1前駆体分子を結合し、p20、p10サブユニットへの自己触媒切断を誘導する。その後、カスパーゼ-1はp20、p10サブユニットのヘテロ二量体から構成される活性型構造へと組み立てられる。活性型となったカスパーゼ-1は炎症の初期シグナルに応答してさまざまな過程に従事する。そうした過程には、IL-1β前駆体のAsp116での切断によるIL-1βの形成、IL-18前駆体のIL-18への切断、ピロトーシスの誘導を担うガスダーミンDのN末端断片の放出などが含まれる。ピロトーシスは細胞が細胞質の内容物を放出して炎症性シグナルを誘導する、免疫刺激性のプログラム細胞死である。インフラマソームの活性化後に放出されるIL-1βとIL-18は、IFN-γ(英語版)の分泌とNK細胞の活性化、IL-33(英語版)の切断と不活性化、DNAの断片化と膜でのポアの形成、解糖系の酵素の阻害、脂質の生合成の活性化、IL-1α(英語版)前駆体などの組織修復メディエーターの分泌を誘導することが判明している。また、AIM2は細胞質の外因性二本鎖DNAを検知して結合し、NF-κBを活性化するHIN200ドメインを持ち、細菌とウイルスの感染に重要な役割を果たす。
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