自然免疫における役割
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/11 13:56 UTC 版)
「インフラマソーム」の記事における「自然免疫における役割」の解説
感染の際に自然免疫応答が最初にとる防御方法の1つは、侵入した病原体が発現している分子パターン(PAMP)を認識する、パターン認識受容体(PRR)の利用である。こうした受容体には、Toll様受容体(TLR)やC型レクチン(英語版)受容体(CLR)のように膜表面に存在するものと、NOD様受容体(NLR)やRIG-I様受容体(英語版)(RLR)のように細胞質に存在するものがある。インフラマソーム複合体は、微生物由来のさまざまなPAMPや細胞自身が生成するDAMPを認識する細胞質のPRRの一部によって活性化される。インフラマソームは自然免疫系の一部として、炎症性サイトカインの活性化と分泌、およびピロトーシスと呼ばれる特殊な免疫刺激性プログラム細胞死の誘導を介して、炎症カスケードの誘導と宿主防御の調整に重要な役割を果たしている。従来、インフラマソームは主にマクロファージなどの自然免疫系の専門細胞で研究されてきた。しかし近年になって、いくつかの研究によってさまざまな上皮のインフラマソームが記載され、防御の最前線としての重要性が強調された。腸などの重要なバリア組織には上皮細胞が存在するため、上皮のインフラマソームは侵入した微生物を最初の相互作用点で認識する最適な位置にある。
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