火口 (点火具)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/22 14:15 UTC 版)

火口(ほくち)とは、火打石や火打金などで起こした火を最初に着火させるために用いる燃えやすい燃料である。着火した火口を火種とし、その火を目的物に接近させて点火する。どんな火花からでも燃焼する「燃えやすさ」を持った素材が用いられる。
火口や火打石などの点火用の道具一式を入れた箱を火口箱という。
火口に火をつけた後は、小枝や新聞のように火口より大きく燃えやすい焚き付け(たきつけ)に火を移し、次に薪の順番に火を成長させていく。
燃焼しやすい条件
燃えやすい条件として、以下の条件があげられる[1]。
- 酸素と反応し易い
- 酸素と接する比表面積が大きい(粉塵の燃焼「粉塵爆発」が知られる)
- 発熱量が大きい(脂など)
- 熱伝導率が小さい(温度が分散放熱しないため、発火温度に上がりやすい)
- 乾燥度が高い
- 可燃性ガスが発生しやすい
- 周囲の温度が高い
これらを備えると、火口として使える。
代表例


- チャークロス(Char cloth):炭布ともいう、綿布を炭にしたもの
- ファットウッド:松の切株・倒木などに見られる多量の樹脂を持った部位の木材。日本語では「肥松」と呼ばれる
- オガクズ
- フェザースティック:薪などの木片を薄く削って笹掻き状にしたもの
- 松葉、枯葉、乾燥した草
- ススキ・ガマの穂[2]
- アザミ・タンポポの綿毛[2]
- アマドゥ、エブリコなど特定の種のキノコを乾燥させ、燃えやすく加工したもの(毒ガスを発生するもの以外、多孔質なものが適す)
- カバノキ属の木の樹皮、乾燥している樹皮を細かく裂いたもの
- 松かさ(松ぼっくり)
- ティッシュ、トイレットペーパー
- 布・糸くず
- 乾燥したパン
- ダウンフェザー
- マグネシウムやアルカリ土類金属[3]
- ファイングレード以下のスチールウール
参考文献
- ^ マンガでわかる危険物乙4類試験 p.172 著者:望月あきら、ウェルテ
- ^ a b もしものときのサバイバル術 学研 p28
- ^ Cooper, Donald C. (2005). Fundamentals of search and rescue. National Association for Search and Rescue(U.S.) (illustrated ed.). Jones & Bartlett Publishers. p. 341. ISBN 0-7637-4807-2 2009年4月14日閲覧。
関連項目
「火口 (点火具)」の例文・使い方・用例・文例
- 噴火口の縁
- 火山の火口
- その火口の近くにはたくさんの外国人観光客が来ていた。
- 墜落した飛行機の残骸は三原山の火口の縁で発見された.
- 噴火口に身を投ずる
- ガスの火口
- 火口湖
- 地の底の蒸気が噴火口から漏れる
- 噴火口へ飛び込む
- 火口を保持するための箱
- オレゴン州の国立公園で、米国で最も深い湖が死火山の噴火口の中にある
- 噴火口の火口
- 爆発によって形成された平底の火山の噴火口
- 導火線の火口の生成に使われた菌類
- バルカン諸国は、ヨーロッパの火口箱である
- 火山の噴火口
- 富士山の火口の周囲
- 御山火口という植物
- 火山火口内の燃焼が噴煙や雲に赤く映る現象
- 火山火口内の,さらに小さい火口
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