濾胞癌
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/17 23:30 UTC 版)
甲状腺分化癌である。頻度は9~10%もしくは、 5~10%。良性の腺腫との鑑別が難しいものが多い。第4版内分泌腫瘍WHO分類(2017年)では甲状腺濾胞上皮腫瘍に良性と悪性の中間intermediate malignancyもしくは境界病変 borderline lesionに相当する新たな疾患概念が提起された。。55歳未満の場合には、遠くの臓器への転移していてもII期に分類され、予後が非常に良い。一方、55歳以上の濾胞癌では、遠隔転移をきたすと予後不良となる。。遠隔転移部位としては肺、骨が多い。。 超音波検査では、低エコー域の腫瘤状陰影を呈する。良性腫瘍である濾胞腺腫との鑑別は、かなり進展した場合を除いて困難である。境界の不整像を認めれば濾胞癌の公算は大きくなるが決定的ではなく、穿刺吸引細胞診での鑑別も困難である。従って、画像上、あるいは臨床的に濾胞癌を疑う場合は、そうと診断されなくとも手術を施行するのが一般的である。濾胞癌を疑って手術をする場合は、単発であれば一般的には甲状腺の片葉切除のみにとどめ、リンパ節郭清は行わないことが多い。これは乳頭癌と異なり、濾胞癌がリンパ節転移を起こす頻度は非常に低いためである。遠隔転移を伴う (M1) 広汎浸潤型濾胞癌には 甲状腺全摘術とその後の放射性ヨウ素内用療法 による治療を推奨する。遠隔転移を伴わない (M0) 広汎浸潤型濾胞癌 にも補完甲状腺全摘術を推奨する。
※この「濾胞癌」の解説は、「甲状腺癌」の解説の一部です。
「濾胞癌」を含む「甲状腺癌」の記事については、「甲状腺癌」の概要を参照ください。
- 濾胞癌のページへのリンク