潜在的な応用とブレイクスルー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/05 08:37 UTC 版)
「ナノ回路」の記事における「潜在的な応用とブレイクスルー」の解説
インドの科学者によりナノ回路に使われる世界最小のトランジスタが開発された。このトランジスタは完全にカーボンナノチューブでできている。ナノチューブは炭素原子のシートを巻いたものであり、ヒトの髪の毛の1000分の1よりも細い。通常、回路はシリコンベースのトランジスタを使用するが、これらは近いうちに置き換えられるであろう。このトランジスタには1点で交わる2つの異なる分岐があるためY字型になっている。電流は両方の分岐に流れることができ、電圧をオンオフする3番目の分岐により制御される。この新たなブレイクスルーによりナノ回路はすべてをナノチューブから製造することができ、その名前通りになる。この発見以前にも論理回路はナノチューブを使用していたが、電流の流れを制御できるようにするために金属ゲートが必要であった。 おそらくナノ回路最大の潜在的応用先はコンピュータと電子機器である。科学者とエンジニアは常にコンピュータの高速化を目指している。より近い言葉で考えると、マイクロとナノのハイブリッド、ナノコアを持つシリコン(おそらく中身を永久に保持することのできる高密度コンピュータメモリ)がある。青写真から写真のパターン、チップへと進む従来の回路設計とは異なり、ナノ回路設計はおそらくチップから始まり(1024もの部品とワイヤの偶然的な混乱で常にうまくいくわけではない)徐々に有用なデバイスに刻んでいく。従来のトップダウンのアプローチを採用するのではなく、ボトムアップのアプローチをこれらナノ回路の大きさにより、おそらくすぐに採用する必要がある。ナノレベルにあるゆえおそらく回路内のすべてがうまくいくとは限らず、ナノ回路はそのコンパクトさから欠陥や不良が多くなる。科学者やエンジニアにより、トランジスタ、論理ゲート、ダイオードなど、ナノ回路に不可欠な要素はすべて作り出された。これらは、すべて有機分子、カーボンナノチューブ、ナノワイヤ半導体から構成されている。残されたやるべきことは、そのような小型デバイスやナノ回路に付随するエラーを排除する方法を見つけることだけである。しかし、最終的にはナノ回路がどのくらい小さくなるかやコンピュータや電子機器の平衡速度への到達には限界がある。
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