漸層法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/29 09:57 UTC 版)
漸層法(ぜんそうほう、climax)とは、言葉・句・節が順番に重要性を増すよう配列された修辞技法のこと。連続する節で言葉・句を繰り返す前辞反復と一緒に用いられることもある。
語源
ギリシャ語の「はしご」。
例
- 長く続くものが3つある。信仰、希望、そして愛。しかし、もっとも大きいものは愛である。 - 『コリントの信徒への手紙一』より
- 思うに、この結論に辿り着いたのは、国家のためでも、全人類のためでもなく、地球上の生命のためである。 - ジョージ・ワルド『A Generation in Search of a Future』
反漸層法
逆に、反漸層法(下降漸層法、anti-climax)は、語り手または作者が言おうとした考えが、高いところから(意図的であるなかれ)突然下降したものを言う。
- 偉大なるダルハウジー、彼は戦の神、マー伯に使える中佐。
反漸層法は滑稽または風刺的な目的にのみ、故意に使われる。アンチテーゼの特徴を帯びていることが多い。
- 死んで寄附しなさい、大学か猫に。
反漸層法と頓降法(Bathos)の区別は難しいが(事実、日本語の「漸降法」は両方にあてられる)、漸層法の相対語としては、反漸層法の方が明確である。
関連項目
参考文献
この記事にはアメリカ合衆国内で著作権が消滅した次の百科事典本文を含む: Chisholm, Hugh, ed. (1911). "Anticlimax". Encyclopædia Britannica (英語). Vol. 2 (11th ed.). Cambridge University Press. p. 123.
- Corbett, Edward P.J. Classical Rhetoric for the Modern Student. Oxford University Press, New York, 1971.
- Smyth, Herbert Weir (1920). Greek Grammar. Cambridge MA: Harvard University Press, p. 677. ISBN 0-674-36250-0.
漸層法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/12 14:23 UTC 版)
詳細は「漸層法」を参照 同じ事柄に対して、徐々に表現を強めていく手法。また、スケールを徐々に縮めていく表現を反漸層法と呼ぶことがある。 漸層法の用例 非常に強い揺れだった。部屋はすっかり散らかってしまった。扉が開かないので、窓をこじ開けて外に出てみたら思わず息を呑んだ。周りの家という家が軒並み、押しつぶされているのだ。心を落ち着かせ、よく見ると、遠方に濛々と煙が立ち込めているではないか。この一連の文章は、あくまで、自身が体験した大地震についての語りである。初めは自分の家のことだけと思っていたところが、だんだんと被害の実態と規模の大きさを目の当たりにしていく様を相手に訴える仕組みになっている。 反漸層法の用例 世界のトップアスリートが集うオリンピック。その選手になるため鎬を削る全国の猛者たち。そして、ここに無謀にも大舞台を夢見るちっぽけな男がいた。徐々に世界、日本、そして一地方と次第にスケールが縮んでいるのが分かる。この文章では別に男にケチを付けるつもりはなく、逆にサクセスストーリーとして読者の期待感を煽る表現となっている。これに落ちを付けた場合は漸降法(後述)と区別されることがある。しかしながら、反漸層法と漸降法の原義は同じ、Anticlimax《英》である。
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