漏電ブレーカや安全ブレーカとの違い
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/27 08:26 UTC 版)
「アンペアブレーカー」の記事における「漏電ブレーカや安全ブレーカとの違い」の解説
「アンペアブレーカー」と呼ばれることから、一般には、漏電遮断器や真空遮断器と同じ遮断器とみなされることがあるが、全く別物である。 漏電ブレーカーや安全ブレーカーは、電気設備に関する技術基準を定める省令に基づいて設置される「保安器」であり、漏電や地絡といった電気回路の故障が原因で引き起こされる感電事故や電気機器の損傷などを防止する目的で設置される遮断器である。従って需要家の電気設備については、需要家の責任において必要な個所に必ず設けなければならないものである。このことからその遮断特性などはそれぞれ保安上必要な基準以上のものとされている。 一方、アンペアブレーカーは電力会社と需要家の間で契約された最大電力、すなわち「契約アンペア値」を超える電気を需要家が使用した場合に自動で電気を止める目的のために設置される「契約用遮断器」であり、電力会社独自のものである。従ってアンペアブレーカーの遮断特性などは、各種必要な安全基準を満たしてはいるが、後述の様に特殊なものがあり、アンペアブレーカーは一般的な「電流制限器」(Current limiter) とも、厳密には異なるものである。 また、漏電ブレーカーや安全ブレーカーなどが需要家の所有・管理物であるのに対し、アンペアブレーカーは電力会社の所有・管理物であり、市販(一般販売)されておらず、不具合が生じた場合でも、需要家側でメーカーから直接取り寄せて、勝手に交換するといったことはできない。電力会社に連絡して交換してもらう形になる。 なお一般家庭などでは、アンペアブレーカーが動作して家全体が停電状態になっても、またその後に設けられている安全ブレーカなどが動作して、家全体あるいは部分が停電状態になっても、ともすれば「ブレーカーが落ちた(切れた)」東海地方では「ブレーカーが上がった(中部電力管内では上がるとOFFの為。ギャラリー画像を参照)」と表現し、同じこととして安易に扱いがち(切となったブレーカーを再び入にする)である。しかし、どのブレーカーが動作したのかによってその原因は異なり、場合によっては感電など人身事故に至ることにもなりかねないため、明らかにいわゆる一時的な電気の使い過ぎなど、その原因がはっきりしており、それを取り除くことができる場合以外、安易にブレーカーを再度、入にせず、専門業者などに連絡し、原因を究明してもらう必要がある。
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