活動とその経過
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/04/17 18:04 UTC 版)
協会は移入する生物種の選定を行い、晩餐会などで当該生物種を賞味することにより会員にその生物種を広く知らしめた。実際の生物移入やその定着などは会員の自助努力にゆだねられ、協会の意図に沿った生物移入に貢献した会員は表彰されたりメダルが贈呈されるなどしてその活動をたたえられた。 順化協会が積極的に移入に関わったのは主に趣味として行う狩猟や釣りに必要とされる哺乳類(ウサギ、シカなど)、やキジ科鳥類、淡水魚(ニジマスやブラウントラウトなどのサケ科やコイ)であり、第一次産業振興の観点からは、キツネやタヌキ、ミンク、オコジョ、テン、イタチ、ヌートリアなどの毛皮動物が注目され移入された。また小麦のようなヨーロッパ起源の農作物にはびこる害虫駆除のためイエスズメやホシムクドリ、木材を穿孔する害虫駆除用としてキツツキが移入された。 これらとは別に現地の景観をヨーロッパ風に改変するために数多くの植物や、ゴシキヒワやヒバリ、ナイチンゲールのような鳴鳥といった産業振興とは全く関係のない生物種まで移入された。変わったところではホタルの移入まで進められたようである。 こうした生物移入はヨーロッパからアメリカや植民地への一方通行に限らず、アメリカや植民地からヨーロッパへ向けて、あるいは宗主国を介して植民地間相互でなど、幅広く行われた。またこのころ外交関係が樹立し欧米との貿易が盛んになった中国、日本など東アジア原産の動植物も、多くの種がヨーロッパやアメリカ、その植民地に向けて移入された。
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