津波に対する懸念
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/21 14:33 UTC 版)
「浜岡原子力発電所」の記事における「津波に対する懸念」の解説
中部電力は津浪が斜面を駆け上がった過去の痕跡が最高海抜6mなことから、余裕を入れて斜面遡上の最高が海抜8mと見ている。 しかし石橋克彦は連動型の巨大地震となった場合、神奈川県相模湾から三重県の尾鷲付近まで2004年のインド洋大津波で見られたような巨大津波が発生する可能性を指摘している。 また、2009年、文部科学省の研究により、東海・東南海・南海地震の3つの地震が生じた場合、同時発生の時、沿岸の海上波高がすでに3 - 6mであり、また数分から数十分の時間差を置いて連動発生し、かつ最高となる時、御前崎付近(浜岡原発付近)などいくつかの狭い範囲では沿岸の海上波高が2倍以上となり、11mに達することがあるというシミュレーションが公表された。 また、発電所は砂丘と山で囲まれており、ほとんどが海抜12m以上、一部10mであるが、敷地高は前述のように6m、5号機敷地でも8mである。 また、広瀬隆は『原子炉時限爆弾』の中で、取水トンネル周辺地盤に対する脆弱性を取り上げ、トンネル破壊の可能性を指摘した。また、津波により漂着物や船舶が取水塔に衝突、もしくは溜流した場合についても懸念を示している。取水した水は大型の取水槽に導かれるため、直ちに冷却不能になることは無いが、広瀬隆は水槽自体も破損の可能性がある旨取り上げている。なお、吉井英勝が冷却水問題で質問したのち、中部電力は各取水槽間の水を融通することにも使用可能な連結管路を追加工事で確保したという。いずれにせよこうした事態が発生することによっても、プラントの各建屋が健全であっても冷却不能に至る事態が広瀬などにより指摘されている。
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