津波による被災
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/08 09:01 UTC 版)
2011年(平成23年)3月11日に、東日本大震災に伴う津波により被災した。ケーソンの一部が決壊、破損し、水面にとどまるのは北堤で2割、南堤で半分という状況になった。総工費1,200億円という巨費が投じられていたことから、被災直後から分析が進められた結果、港湾空港技術研究所は浸水を6分遅らせたほか、沿岸部の津波高を(推定)13mから(実測)7-9mに低減させたという効果を試算している。 一方で防波堤を破壊した津波は市街地へと押し寄せ、市街地や建物の床上・床下浸水、また建物の倒壊・流出など甚大な被害が発生した。釜石市全体での死者・行方不明者は1,000人以上にのぼる。他の被災地と比べれば少なくない建物が倒壊を免れ、街並みの面影が残るなど、被害を抑えられ一定の効果があったという評価もある一方、ハード面での防災には限界があることも指摘された。 なお、遊覧船はまゆりは東日本大震災発生時には大槌町のドックで定期点検中で、釜石港内では被災しなかった。大槌町のドックを襲った津波により流された同船は、150m離れた2階建ての民宿の上に乗り上げた。その後、震災のモニュメントとして保存する動きもあったものの、下敷きとなっている建物が倒壊する恐れがあったことから、震災から約2ヶ月後の2011年5月10日にクレーンで地上に降ろされ解体された。
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