洗礼と連続して行うか否か
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/27 08:07 UTC 版)
正教会では幼児洗礼か成人洗礼の別を問わず、洗礼機密の直後に傅膏機密を行う。 他方、カトリック教会・聖公会では幼児洗礼を受けた者が一定年齢に達してから堅信を受けるなど、洗礼後に一定期間を経て堅信に至ることも多い。ただし洗礼と堅信を分離することが義務・規定として定められている訳ではなく、特に成人洗礼において洗礼と堅信を連続して行うことも可能であり、そうしたケースは現代のカトリック教会・聖公会では珍しくない。 初代教会では洗礼と堅信は一つの儀礼としてまとめて行われていた。正教会は初代教会から現代に至るまでその形式を守り、カトリック教会・聖公会でも古代の伝統を復興した現代では基本的に一つの儀礼として行われる。 しかしカトリック教会・聖公会では、時代によっては洗礼とは別個に堅信を行うことが習慣化されていた。その由来としては、ローマ帝国でキリスト教弾圧が止んだ4世紀頃に幼児洗礼が激増したことが挙げられる。復活祭に司教によって執り行われていた洗礼式が、行われる頻度および場所が激増し、司教が洗礼式を行うことが不可能になったことから、個別の洗礼式を司祭が行い、堅信は後に一箇所に受洗者を集めて司教が行うという習慣が定着したものとされる。 正教会でも洗礼機密(せんれいきみつ)・傅膏機密(ふこうきみつ)の件数の増加により、主教がいずれも個々に行うことが出来なくなった事情は同様であったが、正教会では洗礼と傅膏を分離せず、主教の按手に代えて傅膏を行うようになった。この傅膏の際に用いられる聖膏を調製・成聖するのは独立正教会の首座主教のみである。聖膏は各地教会に分配され、この聖膏を通し、首座主教の祝福が新信徒に与えられるとされる。
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