法体系上の地位
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/19 07:16 UTC 版)
航空法では、航空交通の安全に係る操縦士の要求に基づく管制業務上の指示・承認及び許可は、国土交通大臣の行う法律事項(航空法第94条ないし99条)として定められている。なお、航空法第96条では「航空機は、航空交通管制区又は航空交通管制圏においては国土交通大臣が安全かつ円滑な航空交通の確保を考慮して離陸若しくは着陸の順序、時機若しくは方法又は飛行の方法について与える指示に従って航行しなければならない」と規定してあり、条文上は「大臣が行なう法律事項」であって「航空管制官」が直接行なうとは規定していないし、航空法にも「航空管制官」という言葉はない。 航空法施行規則第240条において「国土交通大臣の権限で次に掲げるものは、地方航空局長に行なわせる」として、同条第33号において「法第96条第1項及び第2項の規定による指示並びに同条第3項の規定による連絡に関する業務で飛行場管制業務、ターミナル・レーダー管制業務及び着陸誘導管制業務に係るもの」、また同施行規則第242条の2において「国土交通大臣の権限で次に掲げるものは、航空交通管制部長に行なわせる」として、同条第6号において「法第96条第1項の規定による指示及び同条第3項の規定による連絡に関する業務で進入管制業務に係るもの」の規定により国土交通大臣の権限を地方航空局長並びに航空交通管制部長に職権を委任している。 更に、地方航空局組織規則第55条第1項には「管制部に、航空管制官(…)を置く」とし、同条第2項は「航空管制官は、次に掲げる事務をつかさどる」と規定してあり、具体的には、 第1号 飛行場管制業務及びターミナル・レーダー管制業務に関すること 第2号 航空法第95条ただし書の規定による許可に関すること 第3号 航空路管制業務を行なう機関と航空機との航空交通管制及び航空機の位置情報に関する連絡に関すること(航空路管制業務を行なう機関又は航空機からの要請により行なうものに限る) 第4号 進入管制業務に関すること(航空交通管制部長が空港事務所長に委任した場合に限る) 第5号 航空路管制業務に関すること(航空交通管制部長が空港事務所長に委任した場合に限る) という規定により、条文上初めて「航空管制官」と航空管制官が行なうべき具体的所掌事務が規定されている(航空路管制業務については、「航空交通管制部組織規則」第7条を参照)。航空自衛隊、海上自衛隊、陸上自衛隊が行う航空管制業務は、航空法第137条の規定に基づいて国土交通大臣から防衛大臣に職権の委任が行われているものである。
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