沖縄の伝統船
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 04:50 UTC 版)
琉球王国で使用されていた船舶や舟艇のうち、大型の構造船「進貢船」は明らかにジャンクであり、やや小型の「馬艦船」(マーラン船)もジャンクに近い構造を持っている。 また、鹿児島県奄美群島で用いられた板付(イタツケ、イタツキ)や比較的大型の板付である小早船(クバヤ)、沖縄本島北部西海岸とその周辺島嶼部を中心に用いられたタタナー(二棚船)、大宜味村の塩屋湾でおこなわれるウンジャミという祭りに登場するハーリー船、八重山諸島・黒島の豊年祭に登場するパーレー船など、和船に類似する構造を持つ船もある。台湾東海岸沖の蘭嶼に住むヤミ族の伝統的な船「タタラ」も、和船と一部の特徴を共有するものだが、それら相互の系統関係についてはつまびらかではない。 それらを除く小型のサバニはリュウキュウマツなどの大木を刳り抜いた丸木舟(クリブニ)であったが、明治期の琉球処分以後、特に沖縄本島南部の糸満においてアギヤーと呼ばれる大型追込網漁がおこなわれるようになり、積載する漁具や人員が増加して相対的に大型の船体を必要とするようになったことや、九州以北との関係が強まって宮崎産の飫肥杉が用材として豊富に流通するようになったことなどを契機として、複材化された。その際、チキリや竹釘を用いて船材を接合する九州以北の木工技術が導入され、定着した。このようにして複材化・大型化したサバニは「ハギ舟(本ハギ、糸満ハギ)」と呼ばれる。
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