水の主
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/08 03:25 UTC 版)
龍と同じく、蛟竜の本来の棲み処は水であることは文献に散見できる: 「蛟龍は水居」し(『淮南子』原道訓))、「蛟龍は水を得てこそ」神の力を顕現させ(『管子』形勢篇)、すなわち「蛟龍は水蟲の神」であると説かれる(『管子』形勢解)。 池の魚数が3600匹に増えると、蛟がボスとなり、子分の魚たちを連れて飛び去ってしまう(『説文解字』の定義)。防衛策として、「笱」すなわち魚取りの簗を水中に仕掛けておけば蛟竜はあきらめてゆく、とされる(『説文解字』原文)。異文があり、三百六十魚の長となる蛟を防ぐには、鱉(べつ)(鼈の異字、別名「神守」)を放てばよい、とする(『養魚経』)。鼈(べつ)すなわちスッポン を得ることで蛟の弊害を免れる旨は『本草綱目』にも述べられる。 『魏志倭人伝』では、会稽に封じられた夏后の小康の子は断髪・文身(いれずみ)し、もって蛟竜(こうりょう)をさけると記し、このことと、倭人もまた「文身しまたもって大魚、水禽をはらう」することを引合いに出している。大林太良などの民俗学者は、中国と倭における水難の魔除けのいれずみには関連性があると見、さらに佐々木高明や日高旺は倭人の入れ墨もまた同じく竜形ではなかったか、と推察しているが、中国では、すでに聞一多 が「端午考」において、古伝に語られる呉越人の断髪文身も、龍文のいれずみをしていたものと推察していた。
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