気象庁の強震観測
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/11 13:04 UTC 版)
日本の気象庁では、機械式1倍強震計(変位計)を津波の予測や地震のマグニチュードを求めるために用いていたが、この地震計は強い地震動では振り切れるため、1988年から大地震でも振り切れない地震計として、加速度計を用いたデジタル収録式の87型電磁式強震計を用いた観測を開始した。87型電磁式強震計は全国の気象官署のうち約80箇所に整備された。87型電磁式強震計はその後に整備・強化された震度計との比較・評価を経て、1997年3月末に運用終了となった。 従来、体感で行われていた震度観測を器械観測とするために、震度計が開発された。90型震度計は波形収録機能を有していなかったが、1994年に展開を開始した93型震度計はデジタル波形収録機能を持っており、87型電磁式強震計と同等の性能でICメモリカードにデータ収録を行った。その後、兵庫県南部地震を契機として、1995年度に気象官署及び津波地震早期検知網の既設震度計の機能強化が図られ、さらに都市部及び郡部には震度計を新設することになった。これらの震度計は、強震波形観測および収録機能に関しては93型震度形と同等の性能を有しており、95型震度計と呼ばれる。現在,気象庁におけるデジタル強震波形観測業務は、全国の約670ヶ所に設置された95型震度計によって行われている。 計測震度は計測震度計で計算され、地上の電話回線などで気象庁に送られる。また、計測震度は地震による被害を推定するために重要であるため、地上の回線が被害を受けたときを考慮して気象衛星を通じて気象庁に送られる。そして地震直後に震度情報として発表される。地盤の違いなどによる揺れ方の違いなどの詳細な調査を行うため、強震波形も収集される。収集された強震波形は、一般にも公開されている。
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