気化吸収型
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/23 07:03 UTC 版)
冷媒の循環のために、液体を使用する。この液体が冷媒を吸収(吸着)して循環することにより冷媒を移動させている。この液体を吸収液とよび、このため吸収型と呼ばれる。熱することにより液体を循環させる。このために熱源が用いられるが、ジェネレーターにガスバーナーを用いたガス冷蔵庫、電気ヒーターを用いた電気冷蔵庫がある。この吸収型では、ガス/電気交流100V切替方式のような2ウェイ型や、ガス/電気交流100V/直流12V切替方式のような3ウェイ型なども一般的である。コンプレッサーを必要とする圧縮型に比べ、静穏性に優れており、また動力源が電気でなくても良いため医療(病院向けなど)、ホテル、レジャーに使用されることも多い。 閉じたパイプの中を冷媒が循環するのは同じであるが、冷媒の循環のために冷媒とは別の液体を使用する。「アンモニア(冷媒)と水(吸収液)」の組み合わせや「水(冷媒)と臭化リチウム(吸収液)」などがある。冷却器または蒸発器(エバポレーター)・吸収器(アブソーバー)・再生器または発生器(ジェネレーター)・凝縮器(コンデンサ)。蒸発器(エバポレーター)によって気化される。なお、吸収型冷蔵庫=ガス冷蔵庫ではない。 アブソーバー(吸収器) ジェネレーター(再生器、発生器、ボイラー) セパレーター(分離器)精留器 rectifier コンデンサ(放熱器 凝縮器) エバポレーター(蒸発器) 冷却を行う。 吸収器でアンモニアを水が吸収しているアンモニア水溶液がつくられる。ジェネレーター(ボイラー)ではアンモニア水溶液が加熱される。水よりも沸点が低いため、アンモニアは溶液からガス化し泡状となる。分離器にてアンモニアガスが水と分離される。水は吸収器 (absorber) に戻される。放熱器では気体となったアンモニアが、熱を放出して液体となる。蒸発器で濃度が濃くなったアンモニア液は、減圧され、気化する。冷却が生じる。吸収器では水が別の経路を通って戻ってきたアンモニアを吸収し、アンモニア水溶液となる。 スウェーデンに本社を置くドメティック(英語版)社(エレクトロラックス社から2001年に分離独立)は、この冷却方法に特化した冷蔵庫を製造・販売している代表的なメーカーである。ドメティック社は吸収式やアブソープションシステムと表現している。 かつて気化圧縮型で冷媒として使用されていたアンモニアは無水アンモニアだが、気化吸収型で冷媒として使用しているアンモニアはアンモニア水溶液 (Aqua Ammonia)である。
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