正統カリフ・アラブ軍
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/02 00:24 UTC 版)
「ヤルムークの戦い」の記事における「正統カリフ・アラブ軍」の解説
開戦前にアブー・ウバイダは指揮権を再びハーリドに譲った。総司令官となったハーリドは軍を36の歩兵部隊と四つの騎兵隊に再編し、直属の精鋭騎兵部隊を遊軍とした。西向きに布陣したアラブ軍の戦線の幅は12キロに及び、最左翼はヤルムーク川の南に配置された。中央左翼寄りはアブー・ウバイダ、右翼寄りはシュラフビール、右翼はヤジード、左翼はアル・アースが率い、それぞれの後方に騎兵が配備された。中央最後方にはハーリド直属の近衛騎兵隊が控えた。 アラブ軍の兵装 ムスリム軍の兵士は鉄兜をかぶり、首や顔まで覆うような鎖帷子を着込んだ。初期のムスリム兵士は、ローマ式の革サンダルに似たサンダルを愛用し、革の鎧や薄片鎧、鎖帷子が用いられた。歩兵は騎兵より重装備で、シャツ型の鎖帷子と大型の枝編みの盾、長槍で武装した。歩兵の槍は約2.5メートルで、騎兵の槍は長いもので5.5メートルになるものもあった。剣はローマのグラディウスのような短剣と、サーサーン式の長剣が用いられ、肩かけの飾帯に吊された。弓の長さは、有名なイングランドのロングボウと同様の2メートルで、射程距離は約150メートルだった。初期のムスリムの弓兵は徒歩だったが、騎兵に対して非常に有効だった。
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