正木ゆう子とは? わかりやすく解説

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正木ゆう子

正木ゆう子の俳句

かの鷹に風と名づけて飼ひ殺す
ライオンは寝てゐるわれは氷菓嘗む
双腕はさびしき岬百合を抱く
地下鉄にかすかな峠ありて夏至
山は山海は海鳴り久女の忌
春の月水の音して上りけり
月のまわり真空にして月見草
林檎投ぐ男の中の少年に
水の地球すこしはなれて春の月
泳ぎたしからだを檻とおもふとき
着膨れてなんだかめんどりの気分
螢火や手首ほそしと掴まれし
 

正木ゆう子

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/03 09:39 UTC 版)

正木 ゆう子(まさき ゆうこ、1952年6月22日 - )は、日本俳人。本姓・笠原。

来歴・人物

熊本県熊本市生まれ。熊本県立熊本高等学校お茶の水女子大学卒業。大学時代の1973年、兄正木浩一に誘われて「」入会、能村登四郎に師事。また福永耕二、坂巻純子に親しむ。大学卒業後は広告会社に務め、1977年結婚。1986年、第一句集『水晶体』を私家版で刊行。

1991年、兄浩一がにより死去、翌年に一周忌を機に遺句集『正木浩一句集』を編集刊行。1994年、第二句集『悠 HARUKA』刊行。1996年、澁谷道に誘われ俳句と連句の同人誌「紫薇」参加。2000年俳論集『起きて、立って、服を着ること』で第14回俳人協会評論賞受賞。2001年より登四郎の跡をついで読売新聞俳壇選者となる。2002年「沖」退会。2003年、第三句集『静かな水』で芸術選奨文部科学大臣賞受賞。2004年より角川俳句賞選考委員。2009年第四句集『夏至』刊行。2017年、第五句集『羽羽』で蛇笏賞受賞。2019年紫綬褒章受章[1][2]。2024年、第六句集『玉響』で読売文学賞(詩歌俳句賞)[3]詩歌文学館賞[4]受賞。

現代の女性のライフスタイルを反映した奔放な詠みぶりで、同世代の女性俳人の先駆けとして活躍。代表句に「いつの生(よ)か鯨でありし寂しかりし」(『水晶体』)、「かの鷹に風と名づけて飼ひ殺す」(『悠 HARUKA』)、「水の地球すこしはなれて春の月」(『静かな水』)などがある。

著書

  • 水晶体 句集 私家版 
  • 起きて、立って、服を着ること 俳論集 深夜叢書社 1999.4
  • 静かな水 句集 春秋社 2002.10
  • 現代秀句 春秋社 2002.3 (日本秀句 別巻)
  • 正木ゆう子集 邑書林 2004.8 (セレクション俳人)
  • 夏至 句集 春秋社 2009.6
  • 十七音の履歴書 俳句をめぐるヒト、コト、モノ。 春秋社 2009.7
  • ゆうきりんりん 私の俳句作法 遊季 春秋社 2009.9
  • 一句悠々 私の愛唱句 春秋社 2009.11
  • 羽羽 句集 春秋社 2016.9
  • 玉響 句集 春秋社 2023.9

メディア出演

  • NHK俳句(2016年度選者、第1週担当)

脚注

  1. ^ 秋の褒章に754人25団体産経ニュース2019年11月2日(2019年11月2日閲覧)
  2. ^ 『官報』号外第151号、2019年11月3日
  3. ^ 第75回読売文学賞 受賞6氏と作品”. 読売新聞オンライン (2024年2月1日). 2024年12月3日閲覧。
  4. ^ 第39回 詩歌文学館賞 決定 - 日本現代詩歌文学館”. www.shiikabun.jp. 2024年3月7日閲覧。

参考文献

  • 坂口昌弘著『平成俳句の好敵手』文學の森
  • 小川軽舟 『現代俳句の海図 昭和三十年世代俳人たちの行方』 角川学芸出版、2008年
  • 『セレクション俳人20 正木ゆう子集』 邑書林、2004年
  • 筑紫磐井 「正木ゆう子」『現代俳句大事典』 三省堂、2005年

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