樹皮の特徴
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/22 19:37 UTC 版)
樹皮は木本の周りを覆うように形成される。一般的に葉には形成されない。元々は死んだ組織の集まりで、コルク形成層から形成され、やがて剥がれ落ちてしまう。普通は古くなるにつれて部分的に剥がれ落ちる。この剥がれ形には種によって独特の特徴がある。サルスベリのように樹皮が全体にきれいに剥がれるものもある。また、バクチノキは、その剥がれ方が派手なのを博打に負けて身ぐるみ剥がされる様子になぞらえたものである。 また、樹皮には呼吸のための独特の穴を生じるものがあり、これを皮目(ひもく)という。 樹木に於いて、中心の木部は細胞壁が発達した後に死亡した細胞の集まりであり、樹皮の外側もまたそうである。樹皮の下層のコルク形成層から木部表面の形成層までの部分が生きた細胞で作られている。木が枯れるとこの部分が早くに崩壊し、樹皮と材とが剥がれやすくなる。 切り倒した樹木は樹皮が付いたままだと湿りやすく虫が付きやすいため皮剥(かわむき、かわはぎ)と呼ばれる道具で落とすことがある。また、スギやヒノキの樹皮を屋根材などに利用するときも皮剥と呼ばれる道具を使う。 樹皮を剥ぎ取って樹木の一部を食べる野生生物も存在する。日本では、ニホンジカやエゾシカの樹皮食害による、林業への打撃や森林荒廃が問題になっている。
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