構造物に加わる力
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/12/09 05:58 UTC 版)
構造物は、次の力の組み合わせに対して、安全でなければならない。ただし、地震荷重と風荷重は同時に発生しないものとしてよい。 固定荷重(死荷重) 構造物の自重による力。どの構造物にも必ず発生する力。存在する限り永遠にあり続ける力。鉛直方向に加わる力。固定荷重は、木造では軽く、鉄骨造では中くらい、鉄筋コンクリート造では大変重くなる。柱・梁・壁・床・設備・仕上げに至るまで、構造物に付属しているものは何でも固定荷重に含まれる。これらの重さを求めることを、しばしば荷重拾いといい、単調で面倒な計算のひとつとなっている。 積載荷重(活荷重) 構造物に乗せる可動の物体の重さによる力。鉛直方向に加わる力。具体的には、建築では人や家具など、土木では車両などの重さのことを示す。積載荷重は、常に変動する。そのため、最小の場合と最大の場合、もしくは、標準的に定められた値について計算する。 積雪荷重 雪の重さによる力。鉛直方向に加わる力。積雪荷重は、地域により異なり、雪の多い地域では大きくなる。一方、雪の降らない地域では、積雪荷重の計算を省略することもある。 風荷重 風による力。主に水平方向に加わる力。風荷重は、構造物の表面積が大きいほど大きくなり、また、形状によっても異なる。木造建築物や高層ビル・吊り橋など、揺れやすい構造物では、風による力が支配的であり、計算結果に大きな影響を及ぼす。一方、鉄筋コンクリート造など重い構造物では、風による力より地震による力が支配的になるので、風荷重の計算を省略することもある。 地震荷重 地震による力。主に水平方向に加わる力。地震荷重は、運動の第2法則( m a = F {\displaystyle ma=F} )により、構造物が重いほど大きくなる。また、そもそも地震国日本では、地震による力が支配的であり、地震荷重が計算結果に大きな影響を及ぼす。 その他の荷重 構造物によっては、土圧や水圧などがある。
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