極めて活発な余震活動
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/07 04:07 UTC 版)
「東北地方太平洋沖地震及び津波のメカニズム」の記事における「極めて活発な余震活動」の解説
2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震発生後、極めて活発な余震活動が震源域とその周辺で発生した。本震発生後約20分後には震源域北端に近い岩手県沖でM7.4、本震の約30分後にはこれまでの中で最も大きなM7.7の余震が震源域の南端に近い茨城県沖で発生し、更に4月7日には宮城県沖でM7.1の余震が発生した。また余震の回数はこれまでで最も多くの余震が観測された1994年に発生した北海道東方沖地震の余震数を大きく上回った。 東北地方太平洋沖地震の本震は、プレート境界で発生した低角逆断層地震であるが、余震は本震と同じメカニズムの地震ばかりではなく、正断層や横ずれ断層タイプの地震も多い。これは多くの余震は巨大な本震によって、本震を引き起こしたプレート境界周辺にひずみが生じたことによって発生していることを示している。 余震の発生場所については、本震発生後時間を経過するにつれて拡大する傾向が見られる。特に震源域南側の茨城県から千葉県房総半島の沖合へ広がっている。また震源の深さに着目してみても、余震は本震の震源域となったプレート境界やその周辺に広く発生しているが、3月9日から11日までに発生した前震と見られる地震がほとんど見られなかった、東北日本が乗る島弧地殻の深部にあるマントル部分と沈み込む太平洋プレートが接する付近で多くの余震が発生しており、この余震が活発な領域は大きな余効変動が見られる震源域の南部、そして深部のプレート境界と一致しており、東北地方太平洋沖地震の後の余効変動が大きな場所で活発な余震活動が発生している。一方多くの前震が発生した地殻と沈み込む太平洋プレートの境界部分で発生する余震は比較的少なく、発生している余震も多くがプレート境界より浅い地殻内で発生している。また東北地方太平洋沖地震発生前、前震活動ともにほとんど地震活動が観測されていなかった日本海溝の海溝軸付近では、沈み込む太平洋プレート内で余震活動が見られるようになったものの、やはりプレート境界部分ではほとんど地震の発生がない。日本海溝付近は本震時に数十メートルに及ぶ大規模なすべりが発生したものと考えられており、そのような大きなすべりが発生した場所でほとんど余震活動が見られない理由としては、この部分は通常時には極めて強いプレート同士の固着があり、東北地方太平洋沖地震後すぐに強固な固着が復活してしまった可能性が指摘されている。
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