業種別最低賃金
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 07:27 UTC 版)
「最低賃金 (ドイツ)」の記事における「業種別最低賃金」の解説
これとは別に、業種別最低賃金が複数の業種で存在する。 これは労働組合と使用者が交渉をして労働協約で定めるもので、連邦労働社会省(BMAS)によって一般的拘束力宣言(労働協約を締結した当事者[労使]以外にも、労働条件やその他の待遇などの規定を拡張して適用することを指す)が行われる。業種別最低賃金は労働協約に拘束されない事業所も含めて、その業種のすべての事業所に適用される。 そして労働者送り出し法(Arbeitnehmer-Entsendegesetz:AEntG)によって対象となる当該業種の全てのドイツ国内の企業(国外企業含む)及び労働者(ドイツ国籍以外の労働者含む)に対して、労働協約で定められた最低賃金の適用を義務づけている。対象となる業種は、建設業、建築物清掃業、警備保障サービス、養成・継続訓練サービス、食肉加工業、介護サービスなどである。 更に、法定最低賃金を下回ることは現在禁止されているため、いずれの業種も法定最低賃金を上回る額となっている。 業種別最低賃金は、一部であるが、以下のようになっている。 基幹建設業(Bauhauptgewerbe) (2021年1月時点)注:構造物・道路等の本体の建設業を指し、電気・水道等の設備工事などは含まれない。 作業員の場合は、12.85ユーロ 専門作業員の場合は、15.70ユーロ(ドイツ西部)、15.55ユーロ(ベルリン) 建物清掃業(Gebäudereinigerhandwerk)(2021年1月時点) 建物内部・メンテナンス清掃の場合は11.11ユーロ ガラス・外装清掃の場合は、14.45ユーロ 電気及びIT業 (Elektrohandwerk)(2021年1月時点) 12.40ユーロ 介護業(Pflegebranche)(2021年4月時点) 11.80ユーロ(ベルリン含むドイツ西部)、11.50ユーロ(ドイツ東部) 1年の看護師研修を受けた看護師の場合は、12.50ユーロ(ベルリン含むドイツ西部)、12.20ユーロ(ドイツ東部) 食肉産業(2021年8月1日時点) 10.80ユーロ 派遣労働(Leiharbeit/Zeitarbeit)(2021年4月時点) 10.45ユーロ 最低賃金制度の運用監視は、連邦財務省所管の税関(ZOLL)内にある闇労働税務監督局(Finanzkontrolle Schwarzarbeit, FKS)が担当している。
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