梅崎義人の評論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 22:47 UTC 版)
2001年の梅崎義人(水産ジャーナリストの会・元会長)著『動物保護運動の虚像‐その源流と真の狙い‐』によると、反捕鯨運動は黄色人種差別に基づく、レイシズムによるものであり、ケイトによるこの事件が論拠に挙げられている。 梅崎が疑問視したのは、ケイトが、母国アメリカのマグロ漁業により年間数十万頭も溺死する“イルカの混獲”を差し置き、訪日して壱岐のイルカ漁を数度に渡り妨害するのを人種差別による日本叩き(ジャパンバッシング)とし、その根拠は、事件の裁判でケイト被告が「イルカのほうが、壱岐の漁民よりも、ブリを餌とする権利がある」と発言したことによるとして、壱岐の漁民の人権よりイルカの動物権を上に置いたという見方をしている。梅崎は、“イルカ混獲”を実力で妨害されていないアングロサクソン(アメリカ人)が頂点となり、次いでアングロサクソンと同じ権利を認めるべき動物が来て、その次に有色人種(壱岐の漁民)が来ると解釈している(この解釈は、文芸評論家の山本七平との対話がもとと示されている)。 また、事件の数年後に犯人のケイトも著した『動物の権利』(ピーター・シンガー編著)が出版され、ケイトは「壱岐の漁民に殺されたイルカは兄弟で、決して許されない」と記し、これを梅崎は再び動物を壱岐の漁民の上位に置いたとしている。
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