柔の拳と有情拳
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/07 00:35 UTC 版)
「トキ (北斗の拳)」の記事における「柔の拳と有情拳」の解説
トキが持つ北斗神拳の特性は、ラオウやケンシロウの拳質が闘気を前面に押し出す「剛の拳」なのに対し、静水の如く拳を受け流して隙を突く「柔の拳」にある。ラオウは、トキの「柔の拳」を恐れるあまりに、部下に対しトキとケンシロウの合流を阻止するように厳命していたほどで、そのためにトキをカサンドラに幽閉した。しかしトキは、病の故に追うのではなく待つべきだと確信し、「奇跡の村」が襲撃された際にあえてカサンドラでケンシロウと合流することを図って、囚われの身になっていたのである。 実際に、マミヤの村で初めて、ラオウにケンシロウと二人で対峙した際、ケンシロウと組んで2対1ならば勝てる状況であったにもかかわらず、「北斗神拳に2対1の戦いはない」「見るのもまた戦いだ」とケンシロウの秘孔を突き、自分が声をかけない限り動けないようにして、自身の「柔の拳」による戦い方をケンシロウに見せようとした。 しかし、当のトキにとって「柔の拳」はあくまで自身の才能で体得したものに過ぎず、彼自身は少年期よりラオウの「剛の拳」を目指していた。それ故に後述するラオウとの最終決戦ではあえて「剛の拳」を使った。 北斗神拳の技・主に「剛の拳」にかかった者は激痛の後に絶命することがほとんどだが、トキはその慈悲深さから、快感を覚えさせ苦痛を与えない経絡を突く、又はそのような快感を引き起こす技を使う。 これらは「北斗有情拳」と総称され、特にトキのそれにかかると天国すら感じると言われている。トキが劇中最初に見せた北斗有情拳(北斗有情破顔拳)では、二人の敵が腕や脚が妙な方向に勝手に曲がっていくのを目にしてもなお痛覚ではなく快感を覚えながら破裂していった。ケンシロウを上回る優しさを持つトキは、どんな悪党に対しても必ず憐れみを以って葬り去る技として「北斗有情拳」を用いるのである。 原作において「柔の拳」はトキの優しさと、その拳を会得できるだけの才能があったからこそ成り立っているような印象を有するが、トキが主人公のスピンオフ作品『銀の聖者 北斗の拳 トキ外伝』劇中において、トキは「柔の拳」について「北斗神拳という、血生臭い暗殺拳を身につけた罪悪感が生んだ拳」とも語っている。 洞察力にも長けており、ラオウがついに見抜けず、ケンシロウも一度惨敗して二度目の戦いの中でようやく気付いたサウザーの身体の秘密も察していた。
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