枠買い広告との違い
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/31 03:20 UTC 版)
運用型広告は、「枠買い広告」「純広告」「予約型広告」といった言葉と対比して使われることが多い。典型的な「枠買い広告」であるテレビCMでは、時間枠、放送時間(秒数)、放送地域、1日の回数、期間などが予算とともに確定し、広告(クリエイティブ)が入稿されて広告掲載となる。CMが広告として露出している間は、広告視聴者の反応が悪い場合(良い場合も)、時間枠や予算、回数などを広告主や代理者がコントロールできないのが一般的である。つまり、納品して広告が出稿され始めてそれが終了するまでは業務は原則として発生しない。 一方、運用型広告の場合、広告が掲載された直後であっても、露出回数、クリック数(率)、コンバージョン数(率)、などの反応の良し悪しを確認しながら、入札額、1日の予算、露出度、クリエイティブなどをいつでもコントロール(変更や改善)をすることが可能となる。ゆえに、広告の出稿が始まってからがむしろ業務の開始となるところが、枠買い広告と大きく異なる点である。これはリアルタイム入札とオークション形式のアドテクノロジーが基盤となっている。 また、「枠買い広告」「純広告」の場合、「どの媒体のどの場所に広告が出るか」ということがあらかじめ人間が把握できる程度の数である。テレビCMであれば放送局の数、テレビ番組の数は当然数百程度と物理的な限界がある。一方、運用型広告で提供されている媒体と場所(ページ)は、ほぼ無限となる。一例では、Googleの検索回数は、2011年時点で1日10億回、それまでに結果を返した検索キーワードは4500億にもなっていた。4500億の検索キーワードには、個別の検索結果ページがあり、これを媒体の配信枠とするなら、4500億の広告枠があり、人間が手動で配信することは不可能である。この配信を自動で行うのが運用型広告を支えるアドテクノロジーとなる。 また、上記のような短期戦術だけではなく、改善のための中期的な仮説検証においても24時間365日いつでも可変であるため、「どの枠を買うのか」という視点よりも、「どのように持続的に運用がなされるか」という点に注目が集まるところが「枠買い広告」「純広告」と大きく異なる。
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