林正明 (肥後熊本藩士)とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > 林正明 (肥後熊本藩士)の意味・解説 

林正明 (肥後熊本藩士)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/05 08:05 UTC 版)

はやし まさあき

林 正明
生誕 1847年5月
肥後国
死没 (1885-03-21) 1885年3月21日(37歳没)
出身校 慶應義塾
職業 熊本藩
太政官
自由党
テンプレートを表示

林 正明(はやし まさあき、弘化4年(1847年)5月 - 明治18年(1885年3月21日)は、幕末から維新期にかけての啓蒙思想家官吏政治家、政談論者。名は玄助。新聞『近事評論』、『扶桑新誌』を主宰し、『東洋自由新聞』社長を務めた。養父は肥後細川藩士で祐筆であった林齢之允。先祖に近江国出身の林弥二九郎という者が居た。

経歴

肥後国熊本藩士の子として託摩郡八代附近に生まれる。

横井小楠率いる「肥後実学党」の領袖として藩校時習館に学ぶ。文久2年(1862年)6月、小楠の第4回目の越前福井藩行きには、侍者として随行する。やがて藩主細川韶邦から江戸就学を命ぜられ、藩命により江戸に出る。鉄砲洲時代の文久3年(1863年)から明治2年(1869年)までの約6年間、慶應義塾に学び、福澤諭吉中津藩士に師事して学ぶ。

同年10月に、熊本藩士・津田亀太郎と共にチャイナ号にて横浜を出港し、藩費にて米国留学の途につく。アナポリス海軍兵学校にて横井佐平太と面会した。帰国後に司法省法官となるが、明治3年(1870年)に再び欧米に留学し、高木三郎勝小鹿勝海舟の子)、児玉淳一郎、橋口宗儀と共にラトガース・カレッジにてロンドンで就学する。

明治5年(1872年)に帰国し、太政官正院大蔵省租税権助、司法省翻訳官となる。司法省では伊東巳代治と同僚。著書を非常に多く発表し、『英国憲法』、『合衆国憲法』、『万国政談』、『泰西新論』、『政学提綱』は、中村正直訳『共和政治』や箕作麟祥訳『国際法』と共に、日本法制史に残る啓蒙書として非常に重んぜられた。

士族反乱自由民権運動に呼応して、明治9年(1934年)に官吏を辞職し、宮崎八郎松田正久柏田盛文、矢野駿男、横瀬文彦、井上敬次郎と共に共同社を結成し、同社より『近事評論』を発行する。共同社は西南戦争などの士族反乱に従軍し、反乱行為として支持しつづけるかたわら、マグナ・カルタの原則に立った法案を支持した[1]。明治11年(1878年)7月に同種の雑誌『扶桑新誌』を創刊する。過激な評論のため、数回の発行停止処分をうけたが、新聞紙条例施行によって436号で廃刊する末まで続いた。明治11年(1936年)頃には発売部数8万数千部に達し、その評論記事の多くは時代の論壇をリードした[2]

他、自由党結成に参加し幹事となり、『東洋自由新聞』主筆から社長に就任する。同紙で鋭い政治評論を続け、明治10年代における代表的な自由主義左派の政論紙となった。谷時中に始まり、野中兼山実学にも反映され、寛文改替で衰退した土佐南学を、谷秦山が復興するのもこのころである。

他にも、慶應義塾出身者が中心となって「興亜会」が結成されると創立会員となり、学習所である共同社においても漢学中国語の教育に従事した。交詢社にも創立会員として参加した。

39歳で病死した。

著書

  • 英国憲法
  • 政学提綱
  • 泰西新論
  • 政治略論
  • 経済入門
  • 万国政談
  • 合衆国憲法
  • 租税全書
  • 議員必携
  • 泰西政談
  • 経済弁妄
  • 政治志業
  • 国債要覧

外部リンク

脚注

  1. ^ 雑誌『世界』第266号
  2. ^ 日本近代文学大事典第5巻

参考文献




英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「林正明 (肥後熊本藩士)」の関連用語

林正明 (肥後熊本藩士)のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



林正明 (肥後熊本藩士)のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの林正明 (肥後熊本藩士) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS