松ヶ茶屋
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2014/05/27 01:51 UTC 版)
小南峠の黒滝村側の中腹には松ヶ茶屋跡があり、国土地理院1/25,000地図にも記載されている。小南峠は山上参りの人々に利用されてきたが、大正時代末頃から洞川へ笠木峠経由でバスが通ずるようになると、次第に寂れるようになり、現在はその跡地に石碑(昭和48年建立)と廃屋が残るのみである。碑文によれば、安永9年(1870年)から昭和48年(1973年)までこの地には役行者像を安置した堂宇があったという。 茶屋が繁盛していた明治の頃は、葛湯(10銭)、冷やしコーヒー(10銭)、ラムネ、サイダーが出されたという。松ヶ茶屋は下市からは徒歩で4、5時間ほどで、この茶屋で持参の弁当で昼食を取ったようである。このさい数人のグループの場合には茶代として10銭から20銭ほど置いていってくれたという(参考までにこの当時の山林労務者の賃金は日当1円30銭から1円50銭ほど)。また茶屋は荷車と飛脚との中継所としても使われた。 この他、松ヶ茶屋から数百メートルほど登った場所に国見茶屋があったという。元は旧峠近くにあったものが、トンネルへの新道が出来ると、旧峠道と新道との交差する四辻まで下ってきたという。現在は木が覆い茂り眺望は望めないが、国見の名にあるように一円を望むことが出来たようである。
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