条件は正当か
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/25 23:37 UTC 版)
レアアース仮説で論じられているまれな地球の条件については本当に必要かの立証が不十分である。例えば赤色矮星のフレアが実際に生命の誕生を妨げるかどうかは定かでない。 地球上の様々な極限環境に生命が生息しているという事実と、原始の生命も極限環境の1つである超高熱環境で生まれたという有力な仮説は、レアアース仮説が前提としている「生命に適した環境は限られている」という考えへの反証となりうる。しかし、レアアース仮説が問題にしている環境には地球上の極限環境を越えた苛烈な環境もある。たとえば、水のない環境で繁殖する生命は知られていない。 レアアース仮説で論じられているのは地球型生命の条件であり、異質な環境では異質な生命が生まれる可能性もある。レアアース仮説が前提としている「地球型生命が生命の唯一の形態である」という考えは、かつてカール・セーガンが「地球ショーヴィニズム」として批判した考えである。 条件が必要だとしても、本当にまれかどうかは定かでない。例えば月を生んだジャイアントインパクトはかつては非常にまれな現象と考えられたが、太陽系の探査が進むにつれ、それほど珍しい現象ではないとの理解が広まってきた。ハビタブルゾーンの幅も、地球環境の恒常性によっては大きく広がりうる。 また、「まれ」の定量的意味も重要である。たとえば、太陽系内の天体のうち0.001%に生命が存在すると仮定すれば、生命の存在頻度はきわめて高いと結論付けられる。太陽系内では地球以外に火星、エウロパ、イオ、エンケラドスの地殻内に生命存在の可能性があるが、冥王星型矮小惑星、小惑星、彗星を含めた天体数は数え切れない。もちろんこれらの地球外生命は確認されていない。
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