札幌市交通資料館とは? わかりやすく解説

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札幌市交通資料館

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/09 05:40 UTC 版)

札幌市交通資料館
札幌市交通資料館本館出入口
(リニューアル後・2024年4月)
交通資料館の位置
札幌市交通資料館 (北海道)
札幌市交通資料館 (日本)
施設情報
専門分野 鉄道・バス
収蔵作品数 約1,000点
事業主体 財団法人札幌市交通事業振興公社
開館 1975年5月
所在地 日本北海道札幌市南区真駒内東町1丁目1
位置 北緯43度0分16.89秒 東経141度21分51.97秒 / 北緯43.0046917度 東経141.3644361度 / 43.0046917; 141.3644361
アクセス 札幌市営地下鉄南北線自衛隊前駅より徒歩数分
外部リンク https://www.city.sapporo.jp/st/transportation_museum.html
プロジェクト:GLAM
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札幌市交通資料館(さっぽろしこうつうしりょうかん)は、北海道札幌市南区にある札幌市交通事業振興公社札幌市交通局の外郭団体)が運営する鉄道保存展示施設札幌市営地下鉄南北線自衛隊前駅の南側高架下及び西隣に設けられている。

歴史

  • 1972年昭和47年) - 市電全廃計画を契機としてこれまでの札幌の交通の歴史を残すために、幌北車庫や交通局ロビーに保管・展示されていた旧型電車や電装品等の資料を集約する形で中央区南21条の電車車輌基地跡地を用いての交通博物館建設の構想が出された[1]。しかしその後、一条線(一部)・山鼻線・山鼻西線と、その車両基地である電車車両センターの存続が決まる。
  • 1975年(昭和50年)
    • 2月 - さっぽろ雪まつりの期間中、現資料館の位置で臨時開館。
    • 5月 - 正式に開館。
      • この間市営地下鉄1000形電車・第4次高速試験車「すずかけ」など展示物の追加が行われる。
  • 2007年平成19年)7月21日 - 「市営バス展示室」オープン。市営バス2両を新たに展示保存。なお、この少し前に保存状態が悪い一部の展示物を撤去している。
  • 2017年(平成29年)9月 - リニューアル工事着工、2024年度(令和6年度)まで休館[2]
  • 2024年(令和6年)
    • 4月27日 - プレオープン営業実施。
    • 5月1日 - リニューアルオープン[2]。本館屋内展示室面積を290㎡から約1.6倍の471㎡に拡張[2]

施設

2024年5月のリニューアルオープンで展示コーナーの構成が改められた[2]。リニューアル前の屋内展示場は高架下の橋脚で仕切られたスペース2つ分を利用しており、室内はコの字形をしていた。それを挟む形で屋内展示場の南北の高架下スペースに第1展示場が、高架と交差する道路を挟んだ南側に第2・第3展示場が設けられていたが、リニューアルによって新たに高架西側のスペースに本館が建てられ、こちらが新たな屋内展示場になった。なおこの本館は2階建てで、2階部分は南北線の乗務員らが使用する施設になっている。

屋内展示場館内

  • ウェルカムコーナー - 札幌市営地下鉄札幌市電のパネルを設置した「なりきり写真館」などがある[2][3]
  • ヒストリーコーナー - 大正時代の市電の木造2軸電車「10形22号」のほか、切符、部品や機器類、写真、路線図、車両の模型などを展示する[2][3]
  • 体験コーナー - 実物の運転台機器でジオラマ内の線路を走行する地下鉄車両の模型(模型には小型カメラが設置されており、走行路やホームの様子が運転台の前の画面に映し出される)の運転が体験できる「さっぽろ地下鉄ライド」や、各駅や車内のアナウンスが聞ける「市営交通おと図鑑」がある[2][3]
  • 札幌市営交通の誇りコーナー - 安全運行を支える職員などの仕事の内容を、写真入りの解説パネルや制服・用具の見本などの資料で紹介する「市営交通おしごと図鑑」がある[2][3]

この他に、多目的ルームや公式グッズなどを販売する売店「ミュージアムショップ」が設けられている。

屋外展示場

  • 第1展示場 - バス4両と地下鉄車両2両(すずかけ)を展示[3]
  • 第2展示場 - 市電車両10両を展示[3]
  • 第3展示場 - 地下鉄車両3両(はるにれと1000形2両)を展示[3]

展示物

市電

車両の種類 形式 車号 製造年 備考
客車 木造2軸電動客車 10 22 1901年 リニューアル前は第1展示場のうち高架下の壁で
仕切られたスペース内に、リニューアル後は
位置を移動して屋内ヒストリーコーナーに展示
(2014年に博物館明治村に貸し出され、同年6月から9年間に渡り博物館明治村にて展示されていた[4]
半鋼製2軸ボギー電動客車 600 601[5] 1949年
鋼製2軸ボギー電動客車 320 321 1957年
Tc1 Tc1 1961年 親子電車(連結車)の子車
M100 M101 1961年 親子電車の親車、2022年搬入
鋼製2軸ボギー内燃客車 D1040 D1041 1964年 日本唯一の路面電車形ディーゼルカー群の一形式
鋼製2連連接電動客車 A800 A801-A802 1963年
除雪車 ブルーム式2軸電動車 8 1951年
プラオ式2軸電動除雪車 11 1958年
ブルーム式内燃除雪車 DSB1 1961年

地下鉄

車両の種類 形式 車号 製造年 備考
客車 1000 (2000) 1001-1002 (2320-2420) 1970年
6000 6101 1975年 正面貫通扉部分のみ・屋内展示
試験車 はるにれ 1965年 第3次試験車
すずかけ 1967年 第4次試験車

バス

製造者・車種 車号 製造年 備考
三菱・ローザ 1963年
いすゞ・BX95 402 1955年
日野・ブルーリボン 東ひ87-41 1987年 リニューアル前の一時期は第1展示場のうち、アコーディオンカーテン
式の扉で仕切られた高架下のスペース内に展示していた。
なお、現在は外から見える状態で展示されている
いすゞ・キュービック 新い94-6 1994年

過去の展示物

車両の種類 製造年 撤去年 備考
いすゞ・BC151P(観光バス)
すずかけ[6][7]
1959年 2006年 ステンレス車体・側天窓つき
 日産ディーゼル・4RA103(観光バス)
えぞまつ[8]
1964年 1983年 側天窓つき
藻岩山ロープウェイのゴンドラ 1958年 2006年 循環式を採用していた時期のもの
A850形連結電車(A851-A852) 1965年改造 1983年 570形を2両連結化した車両
550形ボギー電車(551)[9] 1952年
ブルーム式2軸電動車(雪6・雪7)[10] 1951年 現存する雪8の同型車で、鋼体化改造済み
高速電車用試験除雪車(ブルーム式)[11][12] 1066年改造 2006年 第1次試験車を改造した車両
高速電車用試験除雪車(真空吸引式)[13][14] 1967年

この他、進駐軍払い下げのレッカー車やトラック改造の架線作業車や、市電の郊外区間の除雪に使用された「タイヤドーザー」と称される工事用車両などが展示されていた[15][16][17][18][19]。また保存車のうち路面電車は、初期はD1041と連接・連結車と除雪車を除き、バスなどと同様に高架に対して垂直向きに置かれていた[20][21][22]が、後に向きを整理して全車が高架と平行の向きとなった。

脚注

  1. ^ 交通博物館市電の歴史残そう 建設、電車基地を予定 - 北海道新聞1972年10月1日朝刊14面札幌市内版
  2. ^ a b c d e f g h 札幌市交通資料館のリニューアルオープンについて”. 札幌市. 2024年4月23日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g 各展示コーナーのイメージ”. 札幌市. 2024年4月23日閲覧。
  4. ^ “名古屋生まれ、札幌で活躍の市電 名電1号が1世紀ぶり里帰り”. 北海道新聞. (2013年12月3日). オリジナルの2013年12月5日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20131205092816/http://www.hokkaido-np.co.jp/news/topic/507843.html 2013年12月3日閲覧。 
  5. ^ 実際は615だが、保存に際して601に改番している。
  6. ^ 80s岩手県のバス”その頃”「車両ギャラリー」より「保存車の世界・リアエンジンバス」
  7. ^ sirou1979のツイート(1321316607134715907)
  8. ^ 映像 - YouTube
  9. ^ 実際は553だが、保存に際して551に改番している。
  10. ^ ブログ「ただいま鉄道写真スキャン中」より「保存市電(1)」
  11. ^ irumagunのツイート(841484794621972480)
  12. ^ wonderMAKIのツイート(1352894812488261634)
  13. ^ irumagunのツイート(841849574176182272)
  14. ^ S_W_ARROWのツイート(1258458065466097664)
  15. ^ irumagunのツイート(1953695626711142593)
  16. ^ 映像 - YouTube
  17. ^ 映像 - YouTube
  18. ^ カフェドラグーン「旅・鉄道の記録」より「各都市の建物・札幌市」
  19. ^ kiyo_oku3のツイート(1038745809657810944)
  20. ^ ブログ「ただいま鉄道写真スキャン中」より「懐かしい市電」
  21. ^ ブログ「ただいま鉄道写真スキャン中」より「保存市電(2)」
  22. ^ DISCOVER→JAPAN「1982年 北海道旅行で夜行19泊!」より「17日目 札幌市交通局真駒内工場見学」

関連項目

外部リンク





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