本疾患の原因
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/07/08 17:39 UTC 版)
症候性ウエスト症候群の原因としては、周産期脳障害と結節性硬化症によるものが、原因の特定されたものの中では最も多い。他には、ダウン症などの染色体異常、リー脳症・フェニルケトン尿症・白質ジストロフィーやメンケス病などの代謝疾患、脳奇形、サイトメガロウイルス感染などの先天感染、乳児期の髄膜炎・頭蓋内出血・脳腫瘍などの脳に破壊的なダメージを与える疾患などが挙げられる。また、遺伝子異常によるものも近年盛んに研究・報告されており、男児のみに発症するX連鎖性乳児スパスム(異常遺伝子:ARX遺伝子;Xp21.3-p22.1、STK9遺伝子;Xp22.3)、同じくX連鎖性の点頭てんかんで、CDKL5遺伝子異常などが分かってきている。原因が分からない症例もあり、遺伝的な研究の進歩が望まれる。 ウエスト症候群の95%には、精神運動発達遅滞が合併する。また、発症時期から退行を認める。早期に治療を開始して予後が良ければ、精神運動発達遅滞はなく、知能は境界線から標準以上で、成人前に薬の服用を完全終了が可能。乳児期に発症するため、その時期に精神活動の障害されている症状として、あやし笑いをしない、周囲に関心がない、不機嫌が多いとの症状を呈する。点頭発作を親が発作だと思わずに放置することで治療開始が遅れてしまい、最初の外来では、これらの症状を主訴とすることも多い。 新生児期に発症し、周産期脳障害に多い大田原症候群と呼ばれるてんかん症候群は、約半数が本疾患に移行する。また、本疾患の約半数がレノックス・ガストー症候群というてんかん症候群に移行する。
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