有峰再開発
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/25 01:17 UTC 版)
北陸電力による常願寺川水系の開発は有峰ダム完成後も続く。昭和50年代から昼間と夜間とで電力消費量に大きな開きが出るようになり、最大ピークに達する昼間の供給力を確保するため、新たに有峰第一・第二発電所が建設されることになった。有峰第一発電所は有峰ダムに貯えた水を、左岸に新設した取水口からトンネルを通じて5キロメートル先の発電所に導き、有効落差411メートル、最大使用水量74立方メートル毎秒をもって最大26万キロワット(のちに26万5,000キロワットに増強)の電力を発生(単機の発電機の一般水力発電としては日本一)。使用した水は直ちに有峰第二発電所へと導かれ、最大12万キロワットの電力を発生する。 有峰第一・第二発電所の発電出力は、電力需要の増減に応じて増減するため、放流される水もまた、それに比例して大きく変動することになる。これによる河川流量の変動を吸収するための逆調整池として、下流に小口川ダムを建設。水を一時的に貯え、有峰第三発電所を通じて一定量の水を下流に放流することで対策をとった。これらは1981年(昭和56年)に運転を開始している。 2010年(平成22年)9月には有峰ダム直下において有峰ダム発電所の建設が進められ、2011年(平成23年)11月16日に運転を開始した。これは有峰ダムからの河川維持放流水を活用するもので、発電所建物内にターゴインパルス水車と誘導発電機を組み合わせた水車発電機を1台設置し、最大170キロワットの電力を発生する。年間発生電力量は130万キロワット時で、これにより年間で400トンの二酸化炭素排出を削減できる。 有峰第一発電所取水塔有峰ダム左岸に追加された。 有峰第二発電所 小口川ダム 有峰第三発電所 有峰ダム直下 2001年より有峰ダム見張所は無人となった。現在は遠方よりカメラなどで監視している。
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