二酸化炭素排出
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/10/22 00:42 UTC 版)
生石灰製造は大量の二酸化炭素を排出する。炭酸カルシウムから酸化カルシウムを1トン生産するのに785kgのCO2を排出するが、これをモルタルとして使用するなら、固まる際にCO2を吸収して炭酸カルシウムに戻る。さらに加熱のために化石燃料を燃焼させるなら、これもCO2を排出する。3.75KJ/kgの高効率の窯の場合、石炭を燃料とすれば295kg/t、天然ガスを燃料とすれば206kg/tの二酸化炭素を排出する。電力消費は効率のよい工場でも生石灰1トンあたり20kWhである。この電力が石炭を燃料として発電されたものなら、生石灰1トンあたり20kgのCO2を排出していることになる。これらを合計すると、効率のよい工場でも1トンの生石灰の生産で約1トンの二酸化炭素を排出していることになるが、平均は約1.3トンである。生産した生石灰がモルタルなど炭酸カルシウムに最終的に戻る用途なら、再生可能エネルギーを使うことで実質的な二酸化炭素排出量を抑えることも可能といえる。なお、ポルトランドセメントの生産では生石灰よりも高い温度を必要とするため、必要な熱エネルギーはさらに大きくなる。
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