最長狙撃記録
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/29 14:42 UTC 版)
確認されている戦闘中の狙撃の最長距離記録は、イギリス陸軍ブルーズ・アンド・ロイヤルズのクレイグ・ハリソン(英語版)近衛騎兵軍曹が達成したものである。2009年11月、アフガニスタンのヘルマンド州ムサ・カラ県でハリソン軍曹はL115A3を使ってタリバンの機関銃手を2,475メートルの距離から二名続けて射殺した。QTU Lapua外部弾道学ソフトウェアは、Lapuaから提供されるドップラー抵抗係数(Cd)の連続データを用いて、その射撃は滞空時間約6.0秒で2,475m飛んで、運動エネルギーの93%を失って、初速936m/sから255m/sに減速し、当初の射線から121.39mもしくは2.8°落下して、標的に当たると予測した。かなりの長距離と滞空時間であるが故に、2.7m/sのわずかな横風でさえも、その射撃を標的から9.2mも偏流させ、その補正が必要となる。計算では水平射撃シナリオを想定し、16.2 g (250 gr) Lapua LockBase B408弾を装填したイギリス軍特注の高圧 .338 Lapua Magnumカートリッジを使い、銃口初速936m/sで発射された。同地の2009年11月の(平均的な)大気条件は:海面更正気圧1019hPa、現地気圧899hPa、湿度25.9%、気温15℃であり、これでムサ・カラでの標高1043mにおける空気密度ρ = 1.0854 kg/m3となる。 ハリソン近衛騎兵軍曹は、環境条件は長距離狙撃にとっては完璧で、無風、好天、良好な視程であったと報告書で述べている。BBCのインタビューで、ハリソンは観測手とペアで標的に最初に着弾するまでに約9発撃たねばならなかったと述べている。 2017年6月23日、カナダ軍特殊部隊は、狙撃兵が3540メートル離れた距離から、マクミランのライフル銃「TAC-50」を使用し、過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」の戦闘員を狙撃することに成功したと発表した。狙撃成功は世界最高記録となる。
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