曲線・曲面の連続性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/24 22:45 UTC 版)
詳細は「滑らかな関数」を参照 例えばモーターヨットの船体の表面をモデリングしていると仮定しよう。大抵の場合、モデルはNURBS曲面1枚では表しきれない(モーターヨットを一枚の伸縮自在の布で包むことは相当無理をすれば不可能ではないが、NURBSの性質上避けるべきである)。そのため「パッチ」と呼ばれる何枚かのNURBS曲面をつなぎあわせて継ぎ接ぎをすることになる。モーターヨットの船体を滑らかにしたい場合、継ぎ接ぎの跡は残したくない。複数のNURBS曲面を滑らかに、あたかも一枚の曲面であるかのように溶け込ませあうためには、数学的な幾何的連続性を確保しなければならない。 NURBSの特徴を活かし、高度なモデリングツールでは幾何的連続性を様々なレベルで実現することが可能である。 位置連続Positional continuity (G0): 2つの曲線・曲面が当該部分で「接続」されていることを保証する。接続しているだけなので、尖ったコーナーやエッジが生じる可能性がある。こういった接続ではハイライトは繋がっておらずトリップする。また製造過程で問題を起こすことがある。 接線連続Tangential continuity (G1): 当該部分でのベクトルが平行で、同じ方向を向いていることを保証する。この接続ではハイライトは繋がっているが滑らかでないことがある。ただネジやエンジン内部など審美的な要素の低い一般的な工業製品では十分な滑らかさである。このレベルの滑らかさを持っているサーフェスをクラスBサーフェスClass-B Surfaceと呼ぶことがある。エッジに単純な角丸(フィレット)をかけた場合、そのエッジは接線連続になる。 曲率連続Curvature continuity (G2): 接線連続G1よりさらに厳しく、当該部分でのベクトルが同じ長さであることを保証する。曲率連続なエッジに落ちるハイライトは滑らかであるため、それら2つのサーフェスはあたかもひとつであるかのように見える。そのため人目に触れやすい外面の表面はこのレベルで表現されていることが望ましい。このレベルの滑らかさを持っているサーフェスをクラスAサーフェスClass-A Surfaceと呼ぶことがある。iPhoneなどのApple製品や一般的な自動車は曲率連続のサーフェスでモデリングされている。
※この「曲線・曲面の連続性」の解説は、「NURBS」の解説の一部です。
「曲線・曲面の連続性」を含む「NURBS」の記事については、「NURBS」の概要を参照ください。
- 曲線・曲面の連続性のページへのリンク